280.新たな従魔

 目の前の可愛らしい白狐達を治癒してあげた。


 合流したヒメガミさんも、白狐達にここまで近づけた事がないと驚いていた。


 しかも、白狐達はみんな大人しかった。


 どうやらソフィアが話をまとめたとの事だ。


 えっと…………脅したりしてないよね?




「流石は旦那様! あの白狐達をここまで手懐けるとは……本当に凄い」


 ヒメガミさんが嬉しそうに笑ってくれた。


 お菊さんとゴロスケさんは震えているけど、こんな可愛い狐達を前にしてるんだから、もうちょっと癒されればいいのにね。



 暫くして、白狐達の指揮を執っていたように見えた、一際大きい白狐が一匹、僕に近づいてきた。


 白狐の頭の上にソフィアが乗っていて、二人合わせると、中々の破壊力抜群の可愛さだね!


 そして、その白狐は僕の前に服従の仕草をした。


 人間でいう土下座のあれね。


 というか、東大陸ではやはり土下座が挨拶なのかも知れない。


 今度、僕も挨拶する時、ちゃんと土下座しよう。



 - 種族『白狐・王』が従魔となりました。-


 - スキル『神獣の加護』により、従魔と意思疎通が可能になりました。-



 えええええ!?


 白狐さんが、僕の従魔になったよ!?


 顔を上げた白狐さんは、僕の瞳を真っすぐ見つめてきた。


【我の名は、ギルと申します。ご主人殿、これから宜しくお願い致します】


 『パス会話』で彼の凛々しい声が聞こえた。


「初めまして、僕はクロウティア。名前が長いんでクロウって呼んでね! これから宜しくね! ギル!」


 僕は嬉しくなって、ギルの頭をなでなでしてあげた。


 隣のソフィアが「私も私も」な感じで飛び跳ねていたから、ソフィアもなでなでしてあげた。




「白狐を……撫でれるのか…………私の旦那様は、やはり……とんでもない方なのだな……」


 レイラお姉さんとヒメガミさんの目が、ハート状態になっているのを必死に無視した。




 ◇




【この群れは我が王であり、これからは全てがご主人殿の配下となりましょう。我の妻がここに十匹、子供が八十四匹おります。まだ戦えない子供が更に二十匹いますが、数年後には戦力となりましょう】


 ギルの説明で、王であるギルと、戦える戦力として奥さん子供で九十四匹、数年後、戦力になりうるのが二十匹ね。


 このまま『絶山』で暮らすのかと聞いた所、従魔になった以上、僕の隣に立ちたいそうなので、これから白狐達はアカバネ島で暮らす事となった。



 一先ず、僕とソフィアにギル、レイラお姉さんとヒメガミさん、お菊さん、ゴロスケさんにギルの奥さん四匹が残り、何故か戦えない子供が一匹残り、その他のみんなはアカバネ島に送った。


 残った一匹の子供は現在、僕の腕の中にいた。


 小さくて、ふわふわして、物凄く気持ちよい。


 ギル曰く、白狐は毛の温度も変えられるらしく、暖かくしたり、冷たくしたり出来るそうだ。


 『絶山』はひんやりしているので、この子には暖かくなって貰った。


 他の子には名前が無かったけど、何故かこの子には名前があった。


【そいつの名はタマモと申します。まだ拙い為、話す事も出来ませんが、いずれご主人殿の力となりうるでしょう。どうか傍においてください】


 と言われていた。


 ソフィアがちょっと拗ねていたけど、ソフィアとタマモを二人まとめて抱きかかえたら、とてもモフモフぷにぷにで抱き心地が良かった。



 これで白狐達も救えたし、モンスター達も殲滅出来たし、次のダンジョン……『アリエルのダンジョン』に向かった。




 ◇




 ◆アリサ・エクシア◆


 くろにぃから大量に従魔が出来たとの連絡から、本当に大量の従魔達がアカバネ島へやってきた。


 総勢、百九匹もいた。


 そして、問題は数ではなかった。


 いや……その数が問題なんだけど。


 何が問題かって…………。


 この子達って、何処からどうみても…………神獣『白狐』よね?


 『白狐』は空想の神獣として、モンスター図鑑に載っていた。


 その図鑑によると。


 一。知能が人族以上に賢い。


 二。身体を覆っている毛ははがねより固く、魔法に対する絶大な耐性を持っている。


 三。雷属性魔法を常時使え、普通の電撃攻撃ではなく、雷属性魔法として使うので非常に危険度が高い。


 四。彼らは常に群れで移動する為、強力過ぎる上に、群れと相手しなくてはならない。


 五。彼らは非常に他種族を毛嫌いしており、縄張りに入った他種族は決して許さない。


 と書いてあった。


 えっと…………、この群れはギルさんっていう王様が統治しているみたいで、その奥さんが十匹いて、そのうち四匹は今、くろにぃの所にいる。


 残り、奥さん六匹が引率している感じだ。


 その中から、私とセナさん、ディアナ、ナターシャさんにそれぞれの奥さんが一匹ずつ付くという。


 残りの奥さん二匹で群れを引率するみたい。


 私担当の白狐さんに触らせて貰い、確認してみたら、やはり、毛が物凄く硬かった。


 硬いのに柔らかい不思議な感じだった。


 硬いのにしなやかさと言った方が良いかもしれない。



 やっぱり、この白狐達は、図鑑に載っていた神獣達で間違いなさそうだ……。


 くろにぃ……。


 ダンジョンをマーキングしに行っただけなのに、奥さんが出来、神獣を百匹以上連れて来るって…………。



 あ、セナさん!


 担当の白狐さんにもう名前付けたんですか!?


 じゃあ、私も付けよう!


 どんな名前がいいかな~



 ――――うん、『しろ』ちゃんにしようかな!





 名前 クロウティア・エクシア

 年齢 16歳(男)

 種族 人族(神々の楽園の加護)

 職能 アザトース

 レベル 78

 HP 700×10=7000

 MP 800×50=40000

 力 780×10=7800+30000

 素早さ 780×10=7800+30000

 器用さ 780×10=7800+30000

 耐性 780×50=39000+30000

 魔力 780×300+5000=239000+30000

 精神 780×300=234000+30000


 [従魔] 『アルティメットスライム』ソフィア,『ガーディアン』ヘレナ,『アクアドラゴン』リヴァ,『白狐・王』ギル


 [レジェンドスキル] 叡智ノ神 ,全能ノ神,異次元空間魔法,精霊眼,神獣の加護,奇跡の大地

 [魔法系統スキル] 全属性魔法,中級回復魔法,転移魔法,影封印,飛行魔法

 [スキル] 神言能力,痛覚無効,睡眠無効,言語能力,魔法超強化,多重魔法発動,魔法調整,魔法無限固定,魔力高速回復,魔力超上昇,魔法高速演算,MP消費超軽減,超手加減,自動収集,自動魔法,魔眼耐性,対魔眼封じ

 [技] MPドレイン,神々の楽園アヴァロン,神格化,エリクサー,ソーマ

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