264.ホテルと首脳会談
『スライムランドパーク』が完成して数か月が過ぎた。
数か月間、僕と奥さん達は時間がある度に『スライムランドパーク』で楽しい時間を過ごした。
僕はあまりアトラクションステージには行きたくなかったけど、無言の――――優しい奥さん達に引っ張られ何度もジェットコースターに乗らされた。
勿論、そのあとは『お化け屋敷』だったけどね!
冬が終わって春が訪れると、予定通りというか、僕の意向で三ヵ月間、従業員達にも開放された。
多くの従業員達からはものすごい反響だったけど、そのうち一つの問題に直面した。
それは――待ち時間だった。
僕達だけの時には気づかなかったけど、参加人数が増えると待つ時間が長くなっていた。
通常公開した際は、かなりの混雑が予想される。
『スライムランドパーク』と『クリア町』の総轄をしているリィリさんはその解決を色々試してみたいと頑張ってくれているみたいだった。
『クリア町』では『スライムランドパーク』の観光地としてまた大きく発展した。
その中でも、最も大きい発展は、船場だった。
船で美しいアクアドラゴンの湖をゆっくりと回る産業が始まった。
遠くに見える『スライムランドパーク』も今までにない華やかな景色なので、観覧船業も繁盛するだろう。
更に、大きい宿屋が建った。
名前は『スライムホテル』という宿屋で、二十階建物で、各階部屋が二十室くらいあった。
広さはそれぞれ違うが、最上階の四室だけは特別なサイズになっていて、王族等の超上級階級の為の部屋だった。
至所にソフィアもとい、スライムを意識した作りになっており、建物自体も四角ではなく円状に建てられていた。
そして最も大きな特徴は、寝具だった。
基本的に全て丸いし、ぷかぷかしたベッドになっていて、高級感溢れる寝具になっている。
これはうちの商会の職人さん達が全力で作った寝具だった。
ゆくゆくはもっと素晴らしい寝具が出来れば、変える予定ではあるけど、今でも十分すぎるほど素晴らしい。
因みに、その一号は僕の部屋にある。
奥さん達と一緒に寝ているので、広いベッドを作って貰った。
ホテルから出される料理も、全国から雇った腕の良い料理人達に、最高の食材と、アカバネ島の食堂のノウハウが混ざり合い、王城や帝城でも食べれないくらいの美味しい料理が食べれる。
エレベーターも複数台用意してあるので最上階にも簡単に行ける。
ただ、上部には行けるカードキーがないといけないから、誰でも行けるわけではないんだけどね。
春が一か月経った頃に、各国のお偉いさん達を招待した。
アカバネ大商会が大陸を主導しているとはいえ、今でも各国の交流は非常に大事だ。
その架け橋となるべく、最初の首脳会談をアカバネ大商会に全任して貰い、集まって貰った。
既にグランセイル王国とフルート王国、テルカイザ共和国は連合軍の件もあり、仲は良い感じだったけれど、帝国一団が入った時に空気がガラッと変わったみたい。
それから出された料理や音楽に癒され、始まった首脳会談は、非常に良い方向で終わったみたい。
帝国から全面的に歩み寄った形にはなったけどね。
でも帝国が損をするとかはないはずだ。
首脳会談が終わった次の日、皆さんには『スライムランドパーク』を堪能して貰った。
言うまでもなく、皆さん楽しんで、最終的にはグランセイル王国の王様とアーライム帝国の皇帝は仲良く話し合っていた。
◇
首脳会談も終わり、春も終わりに近づいていた頃。
またもや久しぶりに大陸が揺れた。
今までの揺れは弱く、感じれる人も殆どいなかったが、今回は違った。
誰しも揺れを感じれるくらいの揺れだった。
僕が大陸の揺れを観測してから一年。
一年間、数回の弱い揺れであったが、今回は今までで一番大きい。
大きいと言っても時間も三秒程で、物が落ちるとかもないくらいだけどね。
前世の頃も、地震は数年に一度、このくらいのはあったけど、この世界では初めての事だ。
しかも、アカバネ島ですら揺れるのは、やはりおかしいと思う。
今回一番敏感に反応したのは、セナお姉ちゃんだった。
僕が少し揺れたと話した時にも一番敏感に反応してくれて管制塔システムを作ったり、してくれていたからね。
セナお姉ちゃんは急ぎ、管制塔や各国を訪れているみたい。
何故か僕は連れてって貰えなかったけど、代わりにレイラお姉さんと一緒に筋トレをさせられていた。
アルテナ世界での筋トレと言うと、主にHPを上げる為のトレーニングを指す。
余程だらけない限り、肥満体形にもなりにくいみたい。
レイラお姉さんのスパルタ指導で僕は低いHPをひたすら上げる事となった。
◇
セナはクロウティアの『世界の揺れ』に一番敏感に反応していた。
彼女には一つだけ確証があった。
それは、長年見て来た自分の旦那様であるクロウティアの表情に、何処か恐怖するのを感じ取っていたからだ。
前世の国でも大陸の揺れはたまに感じていたと聞いていて、その所為なのかなと思っていたけど、セナは違うと踏んでいた。
大陸戦争前の、クロウティアの強張る表情が頭によぎった。
彼女は揺れがある度に報告するように伝えると、各国に自身の考えを話したり、アカバネ大商会を使って管制塔システムを作ったりしていた。
全ては、自分より強いが、強い故に鈍感すぎる旦那を守る為。
彼女は人知れぬ不安と共に、何が起きても対処出来るように誰よりも準備を進めた。
名前 クロウティア・エクシア
年齢 16歳(男)
種族 人族(神々の楽園の加護)
職能 アザトース
レベル 70
HP 700×10=7000
MP 800×50=40000
力 700×10=7000+30000
素早さ 700×10=7000+30000
器用さ 700×10=7000+30000
耐性 700×50=35000+30000
魔力 700×300+5000=215000+30000
精神 700×300=210000+30000
[従魔] 『アルティメットスライム』ソフィア,『ガーディアン』ヘレナ,『アクアドラゴン』リヴァ
[レジェンドスキル] 叡智ノ神 ,全能ノ神,異次元空間魔法,精霊眼,神獣の加護,奇跡の大地
[魔法系統スキル] 全属性魔法,中級回復魔法,転移魔法,影封印,飛行魔法
[スキル] 神言能力,痛覚無効,睡眠無効,言語能力,魔法超強化,多重魔法発動,魔法調整,魔法無限固定,魔力高速回復,魔力超上昇,魔法高速演算,MP消費超軽減,超手加減,自動収集,自動魔法,魔眼耐性,対魔眼封じ
[技] MPドレイン,
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