2話 エルフの村


(すごい......)


 木の上に家が建っていたりしていて、俺たちが住む住んでいる建築物とはまるっきし違いがあった。すると、ミアに一人のエルフが話しかけた。


「ミア様!」

「こんにちは」

「こんなところでどうかなさいましたか?」


 エルフの方々が大勢こちらへやってきて、ミアにお辞儀をする。


「チーズを食べたいなって思って」

「では、私の家に来てください」

「うん、ありがと」


(チーズ?)


 なんだそれは? でも食べたいって言っているってことは、食べ物ってことだよな? 言葉だけでは何かよくわからない食べ物でだと思った。


(何なんだろう?)


 すると、住民の方々に連れられて家の中へ入り、棚の中か三角形の黄色い食べ物を渡される。


「これは?」

「牛の乳を発酵させて作った食べ物だよ」

「そ、そうなんだ」


 ミアは笑顔で俺たちにそう言ったが、俺やルビアは不安にチーズを見ていた。そして、俺がチーズを口に運ぶ。


「お、おいしい」

「そうでしょ!!」


 ミアが俺の顔に近づけながらそう言ってきながら、目を輝かせていた。


「うん」

「じゃあ私も......」


 そして、ルビアもチーズを口に運ぶと、満面の笑みを浮かべた。そして、二口目、三口目と淡々と食べ始めた。


「これおいしいね」

「よかった! ルビアもそう思うよね」

「うん! 柔らかくて、触感に癖が無いね」

「うんうん!」


 そう言いながらもミアも口にチーズを運んだ。その時、エルフの女性が言う。


「ミア様はなぜここに?」

「パパとママに会いに来たんだ!」

「国王様と王妃様にですか」

「うん」


 その後も、俺たちはチーズを夢中になりながら頬張りながら雑談をして、家を後にした。そして、エルフの村を出ようとした時


「また来てくださいね」

「うん、今日はありがとね」


 エルフの方々がミアにお辞儀をしながら村を後にした。



「ミア、ここからエルフの国までどれぐらいなんだ?」

「後一週間ぐらいだよ」

「そうなんだ」


 まだ一週間もあるのか。でもエルフの国に入ったばかりだからしょうがないのか。俺はそう思いながらも、みんなと馬車に乗ってミアの実家へ向かい始めた。


 そこから数日が経ったある日、豪雨になる。


「やばくない?」


 そう、ローリライ王国だとこんな雨はあり得なかった。


「まあこれが普通だからね」

「え?」


 これが普通って。流石にやばいだろ......。


「あそこにどうくつがあるから、そこに入ろっか」

「あぁ」


 そこから、俺たちは急いで洞窟に向かい、中へ入って言った。


(何だここは?)


 あたり一面が、緑色の内装になっていた。

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