第25話 金髪爆乳エルフと隷属魔法
俺はエルフの弓を担いで、俺より力持ちなことが判明したミミがエルフの捕虜を担いで拠点に戻る。
「セレスト。この辺に転がしといていいにゃ?」
「いーよー」
「こ、転がす!? この私を転がして貴様ら一体どんな辱めをするつもりだ! 回すのか! くるくると回すつもりなのかこの淫魔めッ!」
ミミにぽいっと投げ捨てられたエルフがおかしなことを言っているけど相手をしているとアクシスに行くのが遅くなってしまうのでスルー。
「ねえ、エルフのひと。ミミのことを追ってたのはあんただよね? ミミの仲間の居場所は知ってる?」
「ふんっ。なぜ貴様らのようなこどもに情報をやらねばなんッ! これでも私は誇り高きエスティアの射手であるぞ!」
キッとこちらを睨みつけるその様子から、ただ聞いても無駄だろうと判断。
「ミミ、悪いんだけどちょっとおへそ見せてくんない?」
「っ!? い、い、いいいきなりなにを言っているにゃ! えっち!」
顔を真っ赤にしてミミが両腕で体を守る。
「言い方が悪かったよ。別にミミのおへそが見たかったわけじゃなくて封印紋が見たかったんだ。その紋様は俺の知ってる隷属魔法に似ているからね。資料と照らし合わせればこのエルフの力を封印した上で情報を聞き出せるようにできると思うんだ」
この世界には奴隷制度があり、奴隷との契約に使用される魔法も存在する。
隷属魔法、契約魔法、服従魔法と呼ばれたりしていて、簡単な隷属魔法の資料は魔法書に書き写してある。
ミミの見たことのない封印紋は見たことのない紋様なのでどういう封印効果がされているかはわからない。
ただ、封印の効果があることは古代文字で解読できているので、魔法書の隷属魔法と組み合わせればこのエルフが危険な力を持っていても抑えられると思う。
「なんか納得はいかないけど……ほら、恥ずかしいんだから見るならさっさと済ませるにゃ」
恥ずかしがりながらシャツの裾をたくし上げ、ぎりぎりまでズボンを下げてミミの下腹部に描かれた封印紋が顕になる。
じっとしばらく封印紋に刻まれた古代文字を読み解く。
子供……違うな、不妊か?
身籠らないようにする封印ってことか?
なんでまたそんなものを……?
「い、いつまで見てるにゃ! もういいにゃ! 顔が近すぎて鼻息が当たってくすぐったいにゃあ〜」
おっと、すまない。
考え事をしていたら恥ずかしさに耐えきれなくなったミミが顔を真っ赤にしてへたり込んでしまった。
「よし。完璧とはいかないけど、身体能力に制限をかけるくらいの改良はできそうだ。それに隷属魔法を掛けて叛逆や嘘をつけないようにさせて貰うよ」
地面に四つん這いになってこちらを睨みつけているエルフに告げる。
……なんで四つん這いになってるの?
また知らないうちに人の魔法で変なことしてたんじゃないだろうな。
「はぁっ……はあっ……私にこれだけの仕打ちをしておいて隷属魔法だと!? この鬼畜! 誇り高きエスティアの戦士が侵略者どもの軟弱な魔法に負けることがあってなるものかッ!」
「はいはい。それじゃあ失礼しますね」
「あっ……あぁんっ! くぅんっ」
流石に人体に傷をつけるのは可哀想なので魔力をインクに変換する魔法を発動してエルフの胸元に魔法陣を描いていく。
胸元にしたのは初めて使用する魔法陣なのでサイズの縮小まで手が回っていないので広めのスペースが必要だったのと、元々このエルフの服装が胸元がかなり開いている服装だったのでそうした。
支部長たちに引き渡すときにも自然と目に入る場所だろうしまあいいだろう、と割と他人事だ。
「よし、できた。これであんたは俺と俺の仲間に敵対できない隷属状態だ。まずは試しに名前を教えて貰おうか」
「フィー……フィーでございます」
トロンととろけてハイライトを失ったかなような碧い瞳でこちらを見上げながら、ぼんやりと答えるフィー。
「セレスト、この女さっきと様子が違いすぎるにゃ。いったいどんな恐ろしい呪いを掛けたのにゃ」
フィーのあまりの豹変ぶりにミミも引いている。
確かにこれじゃあ催眠術でいいなりにさせてしまったみたいにも見える。
「あれぇ? 魔法の構築なんかミスったかなぁ……」
頬を冷や汗が伝う。
ま、まあ、情報は聞き出せそうだし元に戻す方法はあとで考えればいいよね!
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