君のために用意する家

作者 武州青嵐(さくら青嵐)

家族を持つ自信なんてなかった。でも、あなたに惚れた。

  • ★★★ Excellent!!!

武州青嵐さまの作品は、いつも本編とコメント欄の皆さまのやりとりが魅力的です。ですので、わたくしは今回、近況ノートのSSから、この作品に触れました。
「わぁ面白いな。軍人さんの仕事って興味深い!」とか思っていたんですけど。

第一話から、もう。
ずっしり、どっしり。
おお、なんと厚みのあるテーマなんだろう。
たしかに寡婦と未婚の軍人男性の縁組は、いろんな意味で望ましいけれど。
そうした、ちょっと難しい社会問題を織り交ぜつつ、いつもの青嵐ラヴストーリーもあり、背筋の冷たくなる要素もあり、ガッデム許さんコイツら拷問刑に処してやりたいコンチクショウあり。

途中から。
「多紀さん負けないで大丈夫だから!」
「行け渋谷ぁあー! そこだ目を狙え‼︎」
「お姉ちゃん会いたいよぅー!」
ええ、叫びながら読み進めましたとも。

家族をつくる自信がない、二人。
片や周囲のあたたかな心配に応えて。
片や周囲の酷薄さに自暴自棄になって。
臨んだ、お見合い。
最初は気の毒に思っただけかもしれない。
でも。
惚れた。
思い返せば、もしかしたら一目惚れだったかもしれない。
儚く悲しげで、でも誰も恨まず自分を責める、美しいひと。
そのひとに次々と押し寄せる、不幸に悪意に危害。
でも、もう、独りじゃない。
善事は勧み励まされ、悪行は戒め懲らされる。

本編最後に近況ノートのSSを付け足してくださっているので、これから、また読みたいと思います。
おまけまで揃った今、一気読みが出来ますので、是非、おいでくださりませ!

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