第20話ㅤ割に合わない敵

 ──────────────────────────────

 ナイトスケルトン

 レベル:41

 ──────────────────────────────


 ──────────────────────────────

 スケルトンソードマン

 レベル:42

 ──────────────────────────────


 ──────────────────────────────

 スケルトンソーサラー

 レベル:41

 ──────────────────────────────


 ──────────────────────────────

 スケルトン

 レベル:36

 ──────────────────────────────


 ──────────────────────────────

 ビーストスケルトン

 レベル:38

 ──────────────────────────────


 動物のスケルトンとただのスケルトンの数が多い。レベルも高めだけど動きが遅め。

 スケルトンと言えば脆いイメージだけど、このダンジョンのモンスターは一筋縄ではいかないモンスターばかり。

 自分にやれる事は多くないけど、どんな展開になっても対応できるように気は張っておく。


 スケルトン達の装備は鉱物で出来てはおらず、何かしらの骨で作られた白い装備となっている。


「アハハハハッ!!」


 数少ないやれる事その一、振りかぶった金砕棒の一撃がただのスケルトンに当たる。

 抵抗も無く金砕棒に肩が砕かれて吹き飛んでいく。吹き飛んだスケルトンは数体のビーストスケルトンとスケルトンを巻き込んで床に転がった。


 この柔らかさのままならイケる!! そう思ったのも束の間、金砕棒の威力を脅威に思ったらしい上位のスケルトン共に変化が起こる。


 今までは普通の骨と同じ白っぽい色だったが、突如濃い灰色に変化した。

 他の事はよくわからないけど、パッと見動くスピードは少し上がっている。


 身体強化の類かと思われる。だけど骨単体が固くなって動けるようになったとしても、関節部分が超強化される訳ではないだろう。


 色が変わったスケルトンソードマンがの放つ剣撃を避けながら、スケルトンソーサラーを守るナイトスケルトンに近付き、脆そうな腰骨辺りに狙いを定めて金砕棒を打ちつける。



 持っていた盾で金砕棒を防ぐナイトスケルトンだったが、強化された身体でもその一撃を止めきる事が出来ずに背骨をへし折られ、上半身と下半身が分かれて床に転がった。


 一番厄介な盾役を潰した後は、守られていたスケルトンソーサラーに狙いを定めてそちらへと体を向ける。

 だが少し時間が掛かりすぎていたらしく、こちらへ先端の光る杖が向けられていた。


 どうやらナイトスケルトンに守られながらも攻撃魔法を発動させる準備をしていたのだろう。


 放たれた魔法は自分の左肩を貫いてたが、腕を落とすまでは至らず。


 普通ならそこで戦闘が中断されるのだが、ただただ相手が悪かった。


 数少ないやれる事その二、相手の攻撃を受けても怯まずに突っ込んで行く事。

 全く防御系にステータスを振っていない体は、抵抗なく魔法を受け入れて貫通するので、ノックバックがほとんど発生しない。

 防御力、魔法防御力共に全く振らなかった事が功を奏した形となった。

 その分、範囲攻撃や爆発系の攻撃にとても弱いのだが、ソロである事とボロボロの装備な事が相手の油断を誘い、選択肢を狭める事にもなっている。



 自身の魔法が直撃した事で放った後に油断していたスケルトンソーサラー。その無防備な体に金砕棒を叩き付けて上半身を砕いた。


 背後からスケルトンソードマンに背後から刺されるが、返す刀で背後のソードマンに向けて金砕棒を振り抜く。


 残るはノーマルスケルトンとビーストスケルトンがスケルトンが少々に、上下分断されたナイトスケルトン。最早敵となる相手はいない。


 打撃に弱く、重要な骨を砕けばほぼ無効化でき、守るべき箇所が剥き出しなスケルトンは殴打を得意とする彼とはとことん相性が悪かった。


 だが彼もスケルトンとは相性が悪く、無傷で倒す事が出来ないと収支はマイナスとなる。骨相手では血が吸収できず、肉もないのでナイフの強化にもならない。


 身体に刺さっていた骨剣を抜き、最後に残ったナイトスケルトンの頭を無慈悲に砕き戦闘が終了した。


『レベルが1上がりました』


 戦闘の終わりを告げるアナウンスを聞き、ようやく張り詰めていた気を緩める事が出来た。


「血を使った分はマイナス......装備も骨で使い道がない。もちろん骨だから布を羽織っていない。倒しやすいモンスターではあるんだけどなぁ......はぁ......」


 レベルが1上がった事以外のメリットは無く、勝利したにもかかわらず溜め息をついた。


 ここにはもう敵はいないので、散らばる骨を一瞥してすぐに移動を開始する。


「こうなるとゴブリンやリザードマンは的も大きくて戦いやすかったと思えるな。倒した後の血にも期待できるし......逆に小さくてすばしっこいモンスターはやりにくい。

 メイズウルフの群れとはあまり当たりたくない......当たった時にはどうすればいいか......」


 移動しながら今まで戦ったモンスターを思い出し、やりにくかった相手との立ち回りを考え、効率の良い戦い方を模索していく。




 この階層が終わるまでに数度戦闘になったが、厄介だったリザードマンとメイズウルフの群れには当たらずにスケルトンばかりと当たった。

 どれだけ当たらないようにしようとも、攻撃の隙に攻撃されたりして少しずつ血液を減らし、ストレスを貯めていった。


「レベルは43か......血液も減ったし、次の階層では服や血を補充したいな」


 減った血液を見て落ち込みつつも、ステータスを振りながら階段を下りていった。



 ──────────────────────────────


 吉持ㅤ匠


 Lv:40→43


 HP:100%

 MP:100%


 物攻:36→40

 物防:1

 魔攻:5

 魔防:1

 敏捷:36→38

 幸運:7


 残SP:6→0


 魔法適性:炎


 スキル:

 ステータスチェック

 血液貯蓄ㅤ残43.1L

 不死血鳥

 状態異常耐性Lv2

 拳闘Lv2

 鈍器Lv1

 簡易鑑定

 ■■■■■■


 装備:

 魔鉄の金砕棒

 肉食ナイフ

 ボロボロな腰蓑

 再生獣革のブーツ

 魔鉱のブレスレット


 獣皮の鞄


 ──────────────────────────────

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る