第十六話 復讐の予兆

 春川さんからのLINEを見て俺は汗を流す。


「え……これって……」


『ねぇ、春川さん?』

『はい』

『少し会いませんか?』


 別にLINEでも話せる。

 でも、こんなチャンス逃したくなかった。


 俺は顔を手で抑える。


 そして、ニヤリと笑いながら。


「ねぇ、どうしよ……これって……春川さ……桜が俺とヤってくれるってことだよね?」


 復讐。

 そんなことより、学年一の美少女とヤれることの方を先に考えてしまった。

 

 どうしよ……ゴム持ってないよ。


『わかりました』



 その後、高校に集合することになり、俺は高校に向かった。


 一体、なんで春川さんが『復讐』なんて言い出したのか。

 そして、なぜ俺と協力しようとしたのか。

 謎だった──。

 別に俺は春川さんに何も言っていない。


 なら、なんで彼女は復讐しようしているんだろ……。


 でも、そんなこと今は関係なかった。


 俺はコンビニでコンドームを買い、握りしめて学校へ着いた。


 とにかくしたかった──。


 学校に着くとすでに春川さんが校門によりかさり、下を向いていた。

 

 そして、俺に気づいたのかこちらを見る。


「ねぇ……耕平くん?」


 俺はニヤリと笑いながら。


「どうしたんですか? いきなり復讐とか……驚きましたよ」

「ごめんね、順を持って話すね……」


 涙を堪えているところから、相当辛いことがわかる。


「はい……」


 春川さんは上を向いて、覚悟を決め。


「ねぇ、耕平くん。今から言う話はほんとだから……。それで、翔太がうらら先輩と裏で関係を築いてます」


 どうやら、あいつは春川さんにバレていたらしい。

 ざまぁみやがれ……もう少しだ。

 もう少しでうららを取り返せる……。

 

「それで、私……翔太と別れたの。ほんとにうらら先輩は──」


『ち、こいつ、別れてんのかよ、使えねぇ』

 

 突如、流れるように──。


『あいつ、脳が死んでんのにここまで使えねぇのかよ……普通セフレがいること知ってどんなに、かっこよくても付き合うかよ? こいつから翔太と付き合ってるのなくなったら後は何が残るんだよ……』


 だから、俺は嘘をついた。


「そ、そうなんですか……」


 ほんとは二人がそんな関係を作っていたことなんて、とっくの昔から知っているんだ。

 それでも、俺は嘘をついた。

 そっちの方が俺が有利の関係を築ける。

 そんな気がしたからだ。


 春川さんは下を向いてしょぼんとする。


「やっぱり、信じてくれな──」

「信じるよ。春川さんのこと」


 俺は春川さんの目を見た。


 すると、春川さんは作り笑顔で。


「疑ったりしないんだね……」


 もちろんに決まってるだろ?

 だって、俺は全部知ってるんだよ……。


「はい、もちろんですよ」


 春川さんがどこで、そのことを知ったのかそんなのどうでもよかった。

 今はただ、春川さんの身体に興味があった。


 うららだって、翔太とヤっているんだ。

 俺がヤっても別にいいんだよね?


 春川は俺の手を持ち。


「だから、私たちで復讐しよ。翔太に!!」


『お前のせいで俺の計画は崩れたけどな……』


 暖かい手だ。

 綺麗な唇だ。

 早くしたい。


 俺は春川さんの手を払って、春川さんに抱きつく。


 そして、耳元で──。


「ねぇ、春川さん……俺たちの心には今大きな穴があると思うんだ……だから──」


 春川さんには今、きっと捨てられたという絶望があるはずだ。

 そんな中、ここまで平常にいられる彼女はすごい。

 それでも、彼女にはそれなりの深い傷があるはずだ。

 その傷を埋めれるのは俺しかいない……。

 ゴムは十二個あるんだ……たくさんするとしよう。


 そして、俺と春川さんは学校の中へ入っていった。


 暗い教室で俺はスマホのライトをつけた。


「が、学校ってこんな簡単に入れるところがあったんだね……」

「ですよね」


 俺はこの学校で唯一鍵が閉まらない窓があることを俺は知っていた。

 その場所こそ……。

 俺の教室から二つ離れた空き教室。

 そう、俺が復讐を決意した場所だ。


「ねぇ……春川さん?」

「うん……」


 そして、俺と春川さんは熱くキスをした。


 それは長く、一分ほどした。


 ドキドキと高鳴る胸。

 それでも、俺は春川さんに舌を入れ続けた。


 キスを終えると完全に春川さんはメス顔だった。


「こうすればさ、簡単に復讐できると思うんだ」

「ほんとにいけるよね……」

「ああ、いける、いける。だってさ、向こうもこういう関係ですよ?」

「だ、だよね……」


『ほんとにバカなやつだ』


 そして、俺は春川さんを押して、机の上に春川さんを倒した──。


 その後はたくさん春川さんとした。


 やはり、学年一の美少女とヤるのは最高だ。

 ひとつ、失敗といえるのは春川さんの初めてを翔太に取られたことだ。


「ちょっと、一回休んで──」


 それでも、俺は続けた。

 とにかくした。


 何故か涙が流れた。

 別に悲しくない。

 別に悔しくない。

 ただ、あの時、この場所で俺たちの彼氏、彼女がヤっていた。

 それに対して嬉しかった──。



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