第35話 班決め

翌日は午後からの全校集会で吉野、古市とは会った。

ちなみに讃大はな。クラスで何度も会った。というかいつも通りのことか。


そしてこの全校集会はあれだ。遠足のことだ。早速昨日必死に俺たちが作り運んだ資料が活躍していた。


現在先生らが生徒に配付中である。マジ大変だったんだから、見ずにポイとかやめろよ?マジで。泣くからな?いろいろあってやっぱ顔腫れてるんだならな。ホント。触ると痛い。うん。


それからなんやかんやで、先生らからの話は進んでいき――。


そしてやはり予定通り2日間他学年と組み活動……やらやらだった。まあ変わるわけないよな。ホントアホだろ。何でこんなことにしたんだか……。


ちなみに――。


目的地のテーマパークまではクラス単位でバス移動。テーマパーク到着後はそこから基本班行動でテーマパーク、ホテル。翌日の自由時間のちまたバスで帰ってくるんだと。


――混乱が起きそうだ。


ちなみにホテルは班が決まったら紙を提出。その際に部屋が割り振られるらしい……って。


男女ミックス学年ミックスだから体育館は変な盛り上がりが起こりだしていた。めっちゃざわつきだしたぞ?どう収拾するんだろうか。


ホントなんでこんなことにしたんだよ。 先生らも監視が大変とか思わなかったのかね?まあもう知らんが。俺は自由にさせてもらうって……うん。忘れかけていた。


気がついたのは視線の先に吉野を見つけたから。こちらにトコトコとやってくる吉野。オバケちゃんが見えたから。


「……」

「なんだ?吉野。えらく今日は静かだな」

「……腫れて……ますね」

「だろ。さすがオバケちゃんパワー」

「むっ……って、関係ないです」

「まあオバケに足はないか」

「……反対側も蹴りますよ?」

「ごめんなさい。マジでそれはやめてください」


うん。これ以上は目立ちたくないんでね。ホント……。


「……うん。よし」

「っか、吉野。ホントに俺とこでいいのか?」

「はい。まだ先輩と一緒の方がマシです。って先輩が来ないなら私は家でのんびりを選択します」

「はははー……って、そういや、古市は?」

「あっ、えっと……」


と、吉野が言おうとした時な古市の声がした。


「あー、いたいた。葛先輩―。夜空ちゃーん」

「おつかれ。古市」

「ホントですよー。同じ班になろう。って、何人からも言われまして。断るの大変でした」

「超人気者がここにもいた」

「そんなことないですよ?」

「あるよ。ある。なあ?吉野」

「うん。めっちゃ声かけられてた」

「えー」


ということで、まあ事前に決まっていたが。3人の班が決まりましたと。


用紙は古市が書いてくれてすぐに提出しに行ってくれたので部屋は無事決まり801号室となった。


「801ってことはそこそこの高さがあるんだな」

「みたいですね。確かチラッと見た先生たちの資料にはベッドが3つ並んでる見取り図がありましたよ」

「まあだから部屋は3人までか」

「ですね。って、早く決まって良かったです」

「だな」

「……みんな揉めてる……?ね」

「だろなー。こうなる未来は見えていた」

「ちなみに葛先輩はまた後輩のかわいい子に囲まれてますからね。その視線もこちらに来るかもしれませんよ」

「マジかよ。そんな視線なくていいしって……嫌なら抜けるぞ?」

「だめ」

「だめですよー。って夜空ちゃん必死」

「あ、いや……だって先輩しかいないし……誘える人」

「まあ讃大先輩はまたやばいですからね」

「だな。地獄だな」


生徒会長はまたまた人だかりを作っていた。あれ決まるんかね。まあ部屋は前みたいに俺たちのところに乱入はないだろうが……自由時間とか平和だといいんだが……どうなることか。


って、マジで讃大のところは密っていた。さすがに先生が今回は輪に入っているというか。様子を見ているように見えるが……ホントどうなることか。


「って、今更ですが先輩。腫れましたね」

「だろ、ケンカしたみたいになったよ。クラスでも今日1日に変な視線あったからな。あいつなにしたんだ?的なな」

「ですよねー。これは目立ちますからね」

「……」


吉野が下を向いた。うん。そんなに気にしなくていいぞ?オバケちゃんがさらに怖いからな。


「あっ、古市そうそう忘れる前にハンカチ返しておくよ」

「あ、早いですね」

「帰ってすぐ洗ったからな」


俺は昨日かりたハンカチを返して……まあ特にすることがないのでしばらく3人で時間が来るまで雑談して待った。


そしてある程度騒ぎ?がおさまってきて……そろそろ元に戻れ。という時に古市が声をかけてきた。


「あっ葛先輩、今日も放課後は生徒会室にお願いしまーす」

「なんで?」

「いろいろあるからですよ」

「生徒会真面目に人員集めろよ」

「だから葛先輩です」

「おかしい」

「あ、あと……」


そういいながら古市は俺に耳をかせ。と、いいたいのか。ちょっとしゃがんでください。みたいなジェスチャーをしたのでしゃがむと……。


「あの」

「なんだよ。小声で」

「……生徒会の後も。待っていてください。でわ」

「ちょ」


謎な後輩。それをいうと自分のクラスの方に戻っていった。


そして――。


「隠し事?」

「違う。ただ……まあ、なんかあるんだと」

「へぇー」


吉野に変な目で見られていた。


それから吉野も自分の場所へと戻っていった。

そんなこんなで謎な宿泊あり遠足。まあ生徒からは大変好評みたいだったが……どうなることか。

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