2022 J3AC長野パルセイロの第3節から第6節の振り返り




 5月2日現在、AC長野パルセイロは4勝1敗2分の戦績でJ3リーグ第5位となっております。

 なかなか観戦記すら書けない状況でしたが、今回ここでさらっと触れておこうかと思います。


 第3節 対カマタマーレ讃岐 長野Uスタジアム

 結果3-1で勝利。

 この試合は前半からポンポンポンと3点取れて、昨年のアウェー鳥取戦並みに大量得点か? と思わせる試合でしたが、実際のところ得点までの過程は2点がセットプレーで1点が相手のクリアミスを決めたもの。前半は試合を支配していただけに得点と言う結果は付いてきても今一つ今年の特徴である理に適ったスムースな攻撃が機能しているとは言い難い試合でした。

 後半は讃岐の丁寧かつ思い切りのいいプレーに押され、1点返されてしまいました。

 後半の出来は讃岐が上回っており、よく1失点で済んだという内容でした。


 第4節 対福島ユナイテッドFC とうほう・みんなのスタジアム

 結果1-1でドロー。

 この時点で首位で3連勝、負け無しの福島ユナイテッドとの対決。2位のパルセイロは勝利すれば勝ち点差で上回り首位に立てる大事なゲーム。

 ここ一番に弱いのがこれまでのパルセイロで、この試合も勝利はなりませんでしたが、試合を通して見れば福島に押されていたと言える内容の中、敗色濃厚だった89分に追いついたのはこれまでとは違ったしぶとさが宿りつつあると言えます。

 この試合はGKのキム・ミノの2つのビッグセーブのおかげでこの結果を引き寄せたと言えるでしょう。


 第5節 対いわきFC 長野Uスタジアム

 結果0-4で敗戦。

 2週連続の福島県勢との対決。

 いわきFCは今年JFLから昇格してきたばかりのチームですが、ここまで無敗、2勝2分同士の対決です。いわきFCはチーム立ち上げの頃から「フィジカル強化して世界に通用する選手を輩出する」ことを目標にしてきたチームです。アンダーアーマーの日本代理店がメインスポンサーとなっていて、施設にもお金を惜しまず投資するという姿勢がサッカー界では注目を浴びていました。

 かといって脳筋サッカーではなく、守備で対人の強さを生かしてボールを奪いつつ、攻撃ではスペースを巧みに使い理に適った攻撃を仕掛けるチーム。

 攻撃の肝は2番の嵯峨選手のクロスということはわかっていたと思うのですが、前半終了間際にその嵯峨選手のクロスから失点すると、後半はDFに寄せて奪われたボールを決められ2失点目、PA内への強引な突破を止めた際のディフレクションボールがDFの腕に当たってハンドを取られ、与えたPKを決められ3失点目、鋭いコーナーキックにパルセイロDFが触れたボールがそのままゴールマウスに飛び込み4失点目。あれよあれよと言う間に4失点してしまいました。

 時間は十分残っていたので、せめて1点でも返す反発力を期待しましたが最後まで得点は奪えず無念の敗戦。


 第6節 対Y.S.C.C.横浜 ニッパツ三ツ沢球技場

 結果1-0で勝利。

 今年からパルセイロの監督に就任したシュタルフ悠紀リヒャルト監督と、今年からチームに加わった4番船橋勇真、5番池ヶ谷颯斗、17番佐藤祐太の古巣となるチームです。

 YSCC側はモチベーション高く戦ってきました。

 その時点でYSCCは未勝利ですが、とてもそんなチームには思えない程です。

 前半はパルセイロがボールを保持する時間自体は長かったのですが決定機自体はYSCCの方が多く、フィニッシュ精度が高ければ2失点はしていたでしょう。

 後半になってようやくパルセイロもシュートまで持っていく場面が増えます。

 76分に左からのクロスをGKが触れ、こぼれたボールを何度かシュートし最後にデューク・カルロスが詰めてゴールに押し込み得点。

 結果的にこの得点が決勝点となりましたが、YSCCは79分に松井大輔を投入。

 いやー、松井大輔がYSCCに加入していたの、この時点まで私は知りませんでした。

 松井大輔、スタミナは90分持たないのかも知れませんが、10数分の出場ならまだ巧みさや体の使い方の上手さなど、十分脅威になりますね。

 ともかく4試合ぶりの白星を、ようやく挙げることが出来ました。


 というわけで駆け足でここまでの試合を振り返りましたが、まだ徹底的にプレスを掛けてくるチームには弱いです。いわき戦などは前半とにかくすべてのビルドアップを体の強さを生かしたプレスで寸断されていてペースがつかめなかったように思いますし、福島戦のようにバイタル周辺でのアイデア不足とも思われる攻めあぐねも見られます。

 J3は走力が基本必要な、走れないと通用しないリーグです。

 次に戦術が浸透したチームが強く、個の力が求められるのはフィニッシュの部分。

 走力、戦術を置き去りにして卓越した複数の個の力で昇格したチームというのはまだありません。今年のFC岐阜がそのチームとなるかがちょっと注目されていますけどね。

 その点では数年前に比べると走れるチームになってきたAC長野ですが、戦術の浸透については道半ばと言えるでしょう。

 というわけでまだまだ上位の勝点差2の間に5チームがひしめき合うJ3リーグ。

 少しでも興味を持たれた方は是非観戦にお近くのスタジアムまで。

 DAZNでも全試合中継してますよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る