俺の球はあいつしか受けられない。について



 先々週半ばくらいから少し執筆できる余裕ができたかな、と言う状況になりました。

 そこで盛り上がっているカクヨムコンに、私も何か新作で参加してみようと思い立ちました。


 いや本当に、読みに行く作品とフォローしている作者の皆さんが皆さん参加されているので、こりゃ乗るしかない、このビッグウェーブに!

 と思ったのです。


 ただ、締め切りまであまり時間がない中、長編を今更10万字以上書くのは無理ゲー。

 短編で行こう! と思ったのはいいのですが、まったくネタが思いつかない。


 本当に、短編のネタがさっぱり出てこない私は、冗長に文章を書いて何となく作品にするという人間なのだなあと思い知った次第です。


 それで、以前から長編で書こうと思っていたネタを短編にして書けば行けるかも! と思い立ったのがこの「俺の球はあいつしか受けられない。」です。


 元々、スポーツを扱った小説は書こうと、カクヨムに投稿始めてからは思っていたのですが、今私が良く見てるサッカーは、なかなかに文章で表すのが難しい。

 サッカーやバスケットボールの様にフィールドの中を選手が(ある程度のポジションは決まっていても)自由に動き回り、攻撃と守備とが流動的に行われる競技だと、選手の位置と動きを書く時にかなり説明に文字数を費やす必要が出てくるからです。

 その辺りは、この駄文集でWEリーグのことを書いた時に痛感しました。

 元々お前はそんなスタイルだろうというツッコミは止めて下さい、痛いです。

 その試合の得点や失点を書くだけでも、関わった選手が複数いますし、それぞれ別の動きをした結果なので、それを読者にイメージしてもらえるように文章で書くと言うのは本当に難しいのです。

 漫画やアニメなら、表現次第では面白くなると思うのですが。


 野球なら、書きやすい。

 野球はサッカーよりも役割と選手の配置ががはっきりしているスポーツです。

 投手はマウンドにいますしキャッチャーはバッターボックスの後ろ。

 野手も配置が決まっていて、描写の手間は省ける。

 攻撃はバッターが打つ、ランナーが走る。

 位置とすることが決まっているので書きやすい。


 実際プレイするとなるとなかなか疲れますが、文字で表現するには表現しやすいのです。

 昔からスポーツの文学で野球を扱う物が多い理由が何となくわかりました。

 野球をある程度見て、どんなことが行われているのかは多くの方が知っているので簡単な描写でも読者にイメージしてもらいやすいのです。


 というヘタレな理由で野球を題材にしました。


 それで内容は、チート能力を扱おうと思っていました。

 

 チート。


 異世界ファンタジーだとチートって際限なく何でも出来ることになりがちですけど、野球のチートというか、良く私が眠りに落ちる前に仕事で嫌なことがあった時などに、ずんの飯尾さんばりに「あーあ、俺に物凄い速球を投げれてコントロールできる能力と物凄く切れのある変化球が投げられる能力があったら今頃は億万長者よの~、むふふう」と夢想していたのが元です。


 ただ、実際に書くに当たっては、それを描いても面白いのか? というのはありました。

 まあ野球界で最強! 無双! って現実にプレイしていれば楽しいのかも知れませんけど、野球のマンガや小説って、主人公無双を読む物じゃなくて、成長してく主人公に感情移入する方が熱を入れて読みやすいなと思っていたからです。

 

 「ドカベン」と「あぶさん」くらいですかね? 野球の無双系主人公って。

 でも山田太郎も足が遅かったり動揺したりしますし、あぶさんも最初はしがない代打屋稼業だったわけですし。

 あんまり完璧チートな主人公ってやっぱりいませんね。

 レギュラーあぶさんは完璧超人でしたけどね。

 いや待て、けっこうあるか。

 「Dreams」とか「緑山高校」とか。

 でも周囲も異常にチートだったりすれば目立たないか? 

 でも読んだことないけど「アストロ球団」をやりたい訳じゃないんだ。

 むむ。


 などと無駄に悩みましたが、主人公のピッチングチートに、ある程度の制約を掛けないとつまらんだろうと、無制限ではホンマに登板するたびに完璧に抑えきって、先発なら完全試合連発みたいなことになってしまうだろうと思ったのです。

 多分野球の世界から追放せざるを得ないですよね、そんな存在が本当にいたとしたら。或いは競技ルールの一部になるか。

 サイン盗み禁止、みたいな、主人公丸山禁止、てな感じ。丸山を使う時は連盟に特別に申請が必要、とか。


 それで最初に考えた制約は、恐怖新聞のように1球投げるごとに寿命が縮むって奴でした。

 優勝の瞬間、寿命を使い切って仁王立ちで死ぬとか絵になるな! と思ったのですが、小さい頃から練習も含めればどんだけ投げんねん! と考えた時に、1球で1日縮むでもけっこうなもんだなと思い至り、多分寿命が100歳でも高校生の練習試合で死ぬわこりゃ、となって止めました。


 次に特定の人相手じゃないと凄い球を投げられないってことにしよう、相手が女性だったりしたら、女性がプロに入って苦労する部分とかも書けるかも、と思い主人公の丸山和彦と霜月玲奈になりました。

 これの方がしっくりきますね。

 最初は主人公はもうちょい気取った名前だったんですけど、「駄文集」の回答で適当に書いた丸山和彦って、わりに普通っぽくていいなと思って付けちゃいました。


 長編で考えていたので、出会いから高校の県大会とか、独立リーグに入ってからとかも考えていたのですが、とりあえず二人の関係性が分るポイント以外端折っちゃいました。



 この作品を執筆するにあたり、とりあえず書いて後から削って10000字にしようと思っていたのですが、無理でした。


 けっこう自分の書いた文章が勿体なくなるたちで、非公開作品で「物置」というのを作って、削った文章をそこに残していたりするのですが、今回の「俺の球はあいつしか受けられない。」で2日くらいかけて削った文章が余裕で15000字くらい行って、なおも後5000字削らなければならない、というところで、もう10000字に纏めるの無理、と悟り、カクヨムコン短編部門には出さず、ある程度まとまったなという形で出すことにしました。

 

 長くなった原因は名村監督と端神コーチの会話をイントロにしたからです。

 あそこは書いていて楽しかった。本当に楽しかった。


 でも泣く泣く切れば行けるか? とも思ったのですけど、いきなり丸山和彦の独白で始まるのも、何か厚みが出ない感じ~、とか思っちゃった訳です。


 いいんだよ、書きたいもの書いたんだから!

 と開き直っています。 


 ちなみに主人公の丸山和彦にはモデルとなる人物はいないのですが、何となくのイメージとしては、自分の意思で投げてない時は元ヤクルトの山田勉選手、後編の自分の意思で投げ出した時は伊藤智仁選手です。

 顔はTOTOのアルバム「TOTO」のジャケットみたいな顔です。

 人ですらない。

 霜月玲奈は本当にモデルとなる人物はいません。ルックスや外見も特にイメージはなくその時々で変わってますね。内面だけはブレないですけど。

 どなたか絵を描いて下さればそれが玲奈になると思います。

 名村監督は当然野村克也監督です。

 この「駄文集」で、一人で550PVを稼ぐ野村監督に賭けました。

 嘘です。私が好きなだけです。

 東京セネターズはヤクルトをイメージしてますけど、ヤクルト監督時代の野村監督ではなく楽天監督時代の毒舌好々爺時代です。

 ヘッドコーチの端神さんは、野村楽天のヘッドコーチだった橋上秀樹さんです。

 ピッチングコーチの伴野仁は、コーチになった伊藤智仁です。ずっとヤクルト、楽天で投手コーチをされてまして、今年のヤクルト優勝にも貢献されました。

 伊藤コーチは2018年に一年だけ、富山サンダーバーズという独立リーグの監督も務めていましたので、その頃の教え子に伝家の宝刀高速スライダーを伝授してたらいいな、という夢もこの作品で描いてます。

 故障した抑えの赤津は、高津臣吾選手です。

 キャッチャー鎌田は古田。

 ショート池端は池山。

 セカンド外山は土橋。

 サード岩崎は岩村。

 この辺り、ヤクルトをかなりモデルにしてますね。


 対戦相手の福岡シャークスは、当然現在の大正義軍SBですが、最強西武っぽいイメージもかなり入っています。まあどっちも野村監督の古巣には当たるからヨシ。

 でもこちらは特定のモデルがいるのは3番垂水が元西武、SBの秋山幸二と元巨人吉村禎章を合わせた感じで、梅崎健介が元西武、巨人、オリックスの清原和博+SBの柳田って感じですね。


 私はけっこう書いたらすぐに出したくなるタチなので、我慢を強いられましたが、ようやくスッキリ。


 この作品は意外とノッて書けたので、他の作者さんの作品を読みに行く回数が書いている間減ってしまったのは、いつも読みに行っていた作者さんに申し訳ないと思っています。

 すみません、決して作品を読むのが飽きたわけじゃありません!


 まあこうして出すことができたので、また読みに回ろうと思っておりますです。


 書く方は、また地区の仕事なんかも入ってきたりするので、ちょっと「駄文」を時々書くくらいになりそうです。







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