この町で
勝利だギューちゃん
第1話
「行ってらっしゃい」
見送られて、外へ出た。
行く先は決めていない。
ただただ、歩く。
僕の住んでいる街は、ベットタウン。
都会ほど発展していないが、田舎ほど不便でもない。
いい所に住んでいると、自分でも思う。
少し歩けば、河が流れている。
そのそばでは、普段はキャンプが行われている。
球技をするには、狭い。
だが、このご時世は見られない。
静かでいいが、やはり寂しくもある。
もう少し歩くと、お花畑がある。
綺麗な花が咲き乱れていた、蝶が舞う。
そのうちの、一頭が僕の肩に止まる。
『浮かない顔してどうしたの?』
「いろいろとな・・・」
『自分を卑下するのは、あなたの悪いくせだよ』
「わるかったな」
蝶は亡きものの魂という。
もしかしたら、この蝶は知っている人かもしれない・・・
さてと・・・
『もう、帰るの?』
「ああ、待たしている人がいるからね」
『大切なものを、手にできたんだね』
「大袈裟だな・・・」
『幸せな家庭を築くのが、一番の幸せだよ』
そうだな・・・
本当に、そう思う。
そうして、僕はその場所へと戻る。
玄関を開けると、いつもの笑顔がある。
「お帰りなさい」
この町で 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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