レベッカを探せ 4 〜キング一家の旅 4
それから小1時間程経過した頃…。
「旦那っ!ついに、旦那のお探しの御一行が何処を目指したか分かりましたっ!」
3杯目のコーヒーを飲み終えた頃、船乗りが戻ってきた。
「おお、そうか?それにしても随分と遅かったじゃないか?いい加減待ちくたびれていたところだったぞ。それで?3人組は一体何処に向かったんだ?」
「はい、俺の情報筋によると『ノマード王国』へ向かったらしいです」
「何?ノマード王国だって?」
『ノマード王国』といえば、周囲を広大な砂漠で覆われた王国…。一体レベッカは何をしに、そんな国へ向かったんだ?
「おい、お前。その3人組は何しに、あんな砂漠に囲まれた暑い国へ行くか聞いていないか?」
船員の襟首をグイと締め上げながら尋ねた。
「そ、そんな…知りませんよっ!だ、大体そんな細かいところまで調べるなんて聞いてませんよっ!」
「全く気が利かない奴だなぁ?あぁあん?いいか?普通はな、いつ、何処へ、何をしに行ったのかを尋ねるのが基本なんだよっ!貴様、それでよく船乗りとして働いていられるよなぁっ?!」
「ヒッ!す、すみませんすみませんっ!気が利かない男ですみませェんっ!!」
涙目になってブルブル震える船員。
すると…。
「おい、何だ?アイツ…まるでチンピラだな」
「なんてガラが悪いのかしら…」
「自警団でも呼んでくるか…?」
自警団と言う言葉に思わず反応してしまった。
「チッ…全く…!」
男の襟首を離すと、更に命じた。
「よーし、これが最後のチャンスだ。いいか?『ノマード』王国のある大陸を目指す船を探して来い。言っておくが、俺には能無しの仲間が2人いる。3人乗せられるだけの船を探すんだ」
「え…?そ、それなら…金を払って客船に乗れば…?って…ひいいいっ!な、何で睨むんですかぁっ?!」
男は俺の鋭い視線で震え上がる。
「貴様…この俺に船代を支払う余力があると思ってんのかぁ?!ただで乗せてくれる船を探せっつてんだよぉ!」
思い切り凄んでやると、男は涙目になってコクコクと頷く。
「はいっ!わ、分かりましたっ!し、知り合いを当たってみますっ!!」
「よしっ!なら早く探してくるんだよっ!俺は仲間を連れてくるからなっ?!絶対に今日中に出港出来る船を探してこいっ!分かったかっ!」
「はいっ!!」
男は俺に怒鳴られ、脱兎のごとく船を探しに再び港へ向かった。
「チッ…全く使えない奴だ…。まぁ変態親父とクソ兄貴に比べればまだマシか…」
よし、そろそろあの使えないろくでなし共を迎えに行ってやるか。本当なら別々に行動したいところだが、万一先回りされてレベッカを横取りされたらたまったものじゃないからな。
そして俺はロリコン親父とウスノロ兄貴の元へと向かった―。
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