第204話 鯉の結末 ~雪村の場合~
……鯉!?
降って湧いた
「か、影勝様の鯉ですか!? 良かった、誰に仲立ちして貰おうかと困っていたのです。ご迷惑でなければ、いえご迷惑でも兼継殿、どうかうまく取り成してもらえないでしょうか!??」
「影勝様の鯉!? それがお前と関係あるのか!? ふた月に数日 同じ屋根の下に居るからとて、何故そのような事になった?」
えっ? 桜姫のお迎えと鯉は関係ないと思う。あ、「近距離に居るんだから、自分で話しておけ」ってこと? それが出来なかったからお願いしてるんですってば。
「同じ屋根の下にいたとしても、お、お伝え出来ない事ってあるじゃないですか。やっぱりちょっと……内容が内容ですし……!」
餞別でいただいた鯉を 茹で殺しました
そんな事はそうそう言えないよ。
だから影勝様からの信任が厚い兼継殿から、ちょっと先触れ的に耳に入れておいて貰いたいっていうか……!
これがあると無いとじゃ、ショックの度合が違うんだよ!
「お願いします。兼継殿!」
がばりと平伏してお願いした私に、兼継殿が青い顔で後ずさる。
「嫌だ! そのような仲立ちは断じて出来ない!!」
「そんなあ!!」
影勝様を怒らせたら、兼継殿でも無理なの!? どうしよう!!
何とか兼継殿の承諾を得るまで、鯉を巡ってのすったもんだは暫く続いた。
……疲れた。
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