第101話 ○○になった吸血鬼さん。
見えたのは、透明感のある長く白い髪の毛。
シミ一つない色白の綺麗な肌。
下手に触れたら折れてしまいそうな細く柔らかそうな手足。
艶を帯び触れたらプルプルと柔らかそうな桜色の形の良い唇。
宝石の様な美しい翡翠色の若干つり目な瞳。
瞳を縁取る髪と同じ透明感のある白く長い睫毛と同じく形の良い白い眉毛。
「お、おぉぉ~~!!」
「う、嘘、だろ」
そんな、まるで空想の中にしか居ない様な美しい容姿をした美少女が。
「うりゅぅ?」
否!!
超絶美しく綺麗な幼女が、そこに居たのだッ!!!
実験、成功である!!
私は、ダンジョンコアを人に、それも目茶苦茶超絶可愛い幼女へと変える事に成功したのだ!!!
「シャアアアアァァァァオララアアアァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!」と今すぐ雄叫びをあげて狂喜乱舞!
狂った様に歓喜に喜び叫び回りたい所だが、何より先にやらなければいけないの事が一つある。
「バスタオル、バスタオルっと……あった」
収納から風呂上がりによく使う大きいタオルを一枚取り出す。
それを、私達を寝惚け眼の様な瞳でボンヤリと見つめる超絶可愛い幼女ちゃんの身体に掛けてあげた。
「ちょっと、ごめんねぇ~」
「?」
う"ッ!首コテンが可愛いぃ"。
孤児院の幼女達やサリエも可愛かったけど、この子は桁違いに可愛い~!!
って、そうじゃなくて。
何故そんな事をするのかだか、幼女ちゃんが今何も着てないから。
まぁ、つまり裸な訳でして幼女用のサイズの服も無いから洋服代わりとしてバスタオルを身体に掛けてあげた訳ですよ。
「ん。あ、たか、い。マ、マ…あり、がと」
……ま、ま?
………マ、マ?
……………ママ?
「……………………ごふッ"」
「アカリーーーーーーー!!!??」
幼女ちゃんのママ呼びという必殺技によりOverkillされた私は、吐血(※してません)してぶっ倒れた。
一撃で、HP全て持ってかれた。
これが、美幼女パワー。
な、何て、威力な、の。
そして、私は意識を失うのだった。
「なんて事は、流石にあり得ないけど」
「演技かい!!」
「痛てッ!」
我が親友の瀬莉に頭を叩かれた。
おかしい。
瀬莉は、ツッコミ担当では無かった筈なのに。
「担当でなくても、流石に誰でもツッコミするだろ今のボケは」
心を読まれた!?
「いや、顔に出てるから分かるのだが」
「マジか」
「マジだよ。流石のアカリも今の状況に舞い上がって冷静じゃないって所かい?」
「YES」
全く持ってその通りで御座います。
私今、声に出さないだけで内心では目茶苦茶テンション爆上がりしてるからね!!
だって、幼女!幼女様だよ!!
こんな、超絶綺麗で可愛い幼女様を見れただけでも有難いのに、ママ呼びとか最高かよ。
パッと見た感じ五、六歳の子と同じ位かなぁ。
あぁ~~!!
目茶苦茶可愛いーーー!!!!!
生きてて良かった!!!
「ちょっと、持ち上げるね~」
「ん」
幼女ちゃんの脇に手を通して抱き上げる。
いつまでも、冷たいテーブルの上に座らせてるのも悪いので抱っこして私の膝の上に座らせた。
あ~~モチモチプニプニしてるぅ。
はあぁぁ~~心が癒されるぅうう!!
私は、幼女ちゃんのモチプニ具合に癒されながら心がワッショイするのだった。
※※※※※
ああぁぁ~~止められない。
サラサラとした髪の毛の手触りのが良くて頭なでなでが止められない。
モチモチプニプニの頬っぺたの肌触りが最高で頬っぺスリスリが止められない。
顎の下辺りをコショコシすると「うりゅぅ~~」って言って可愛い過ぎて永遠に聞いていたい。
結論
幼女ちゃんが可愛い過ぎる。
本当に可愛い。
いつまでも、抱っこしていたい。
モチモチプニプニして気持ちいぃ。
「アカリ」
「ん?何、瀬莉」
幼女ちゃんを愛でていると瀬莉が話し掛けてきた。
声の雰囲気からして真面目な話だろう。
幼女ちゃんを愛でるのを一旦止めて話を聞く為に瀬莉へと顔を向けた。
「分かりきった事だが、一応確認をさせて欲しくてね。その女の子は、あのダンジョンコアで間違いないんだよね?」
「うん。その筈だよ」
瀬莉の質問に私は、頷いて返す。
幼女ちゃんは、私が付与した人化スキルによって人化したダンジョンコアで間違いない筈だ。
現に目の前のテーブルには、ダンジョンコアが無い。
置いておいたダンジョンコアが消えて、その場に幼女ちゃんが居たのだから。
その事からして、ダンジョンコア=幼女ちゃんで間違いないと思う。
ただ、本当にそうだと確信を持っておきたいのは私も瀬莉と同じだ。
幼女ちゃんを愛でる事に意識が全て向いていたので忘れていたが、丁度良いので確認するとしよう。
「鑑定」
私は、幼女ちゃんに鑑定を掛けた。
────
名前:なし
種族:ダンジョン『???』
状態:人化
LV:不明
HP:不明
MP:520/2000
筋力:不明
耐久:不明
敏捷:不明
魔法:不明
─スキル─
【創造Lv1】【人化Lv1】
─称号─
なし
────
怖ッ!!
え、何この不明って表記!?
てか、MP四桁!!?ヤバッ!!?
あ、ダンジョンなのは確かなのね。
んで、人化して人の姿を現在してると。
て事は、人化は解こうと思ったら解けるのかな?
それとも、何かしらあったら強制的に解けるとか?
ダンジョン名が『???』なのは、生まれたばかりで呼び名が無いからかな?
…………??
創造???
え、創造????
・
・
・
・
・
「ダンジョンだし。おかしくないか」
アカリは、考えるのを諦めた。
え、だって、仕方なくない?
こんなん、考えようが無いんだもん。
そもそも、ダンジョンって存在が内部で魔物やアイテムを生み出してる時点で普通に色々と創造してるからスキルとして持っていてもおかしくはないかと。
てか、私今誰に言い訳してるんだろ。
少し情報の内容に頭が痛くなり頭を押さえる。
そんな私に、テーブルの向かいで私を見ていた瀬莉が鑑定結果を尋ねてきた。
「アカリ、何か分かったのかい?」
「あ、うん。やっぱり、ダンジョンコアで間違いなかったよ」
「他は、何か分かったかい?」
「ステータスやスキルは、そんなかな。せいぜいが、MPが少し多いのと付与した人化のスキルを持ってる位」
信用してない訳ではない。
寧ろ信用してる方である。
ただ、ちょっと簡単に話せる内容ではないし私自身も理解の範疇を越えている。
なので、今は話す事を止めておく。
ちゃんと、幼女ちゃんのスキルについて理解して問題無さそうなら話す事にしようかと思う。
「ママ」
「エへへ~どうしたの?」
幼女ちゃんが私を呼ぶ声が聞こえた。
どうしたのかな?
お腹が空いたのかなぁ。
「私を、壊さない、の?」
「……ん???」
????
今、なんて?
「私を、壊さないの?」
うん。
なるほど、なるほど。
「どゆこと????」
はい。
微塵も理解が出来ませんね。
お願いだから、これ以上混乱させないでぇぇ!!!
私は、幼女ちゃんの言葉の意味が全く理解出来ず頭を抱えるのだった。
※※※※※
「あぁ~~そういう事かい」
「なるほど」
幼女ちゃんに説明してもらった事で「壊さないの?」の言葉の意味がやっと理解出来た。
幼女ちゃんの説明曰く、自分は私と瀬莉を巻き込んで生まれた。
自己防衛の為とはいえダンジョン内で危険な目にあわせたし殺そうとした。
なので、ダンジョンの核である自分を壊す等やり返さないのかと。
「いや、壊さないけど?」
「なん、で?ママとお姉さん、殺そうとした、のに」
まぁ、確かに私と瀬莉を殺そうとしたのは確かだろうけど。
「生きる為だったんでしょ?」
「ん」
私の言葉に頷く幼女ちゃん。
頷いて当然だ。
誰だって殺されそうになれば、生きようと行動、反撃をするのは当たり前だ。
私だってそうだ。
前世じゃ私を害そうとした輩は、殺してはいないが言い逃れさせない為に証拠押さえてキッチリやり返した。
今世なんて法律が無いようなもんなので、害そうとする輩はボコボコにして潰すし何なら、男爵共は瀬莉を瀕死間際までボロボロにされた恨みで殺したのだ。
弱肉強食がルールとも言えるこの世界。
ダンジョンとはいえ、幼女ちゃんが生き残る為に自己防衛で殺しにきても仕方あるまい。
それに、結局の所は誰も死んでいない。
別にもう良いだろう。
「さっき言った通り私はもう良いよ。瀬莉は?」
前述の通り私は、幼女ちゃんを許す気でいる。
問題は、瀬莉が今回の出来事を許すかどうかだが、瀬莉の先の声音と今の表情を見るに恐らく問題は無いだろう。
「私も別に良いよ。アカリのおかげで、こうして今も生きてるからねぇ。それに、私だって同じ立場なら同じ様に殺そうと行動していたさ」
思った通り。
心優しい瀬莉は、幼女ちゃんの事を許してくれた。
何となく分かっていたとはいえ、ちょっと内心ホッと安堵した。
「そういう事。だから、気に病まないで。それに私だって成功したとはいえ、ダンジョンコアで実験したんだから。下手したら壊してたんだしお相子って事でおしまい」
「ん。ありがと」
良かった。
私のやった実験の事を幼女ちゃんは、気にしないでくれてるみたいだ。
これで、「許さない」とか言われたら酷くショックを受けて四つん這いで崩れ落ちてたと思う。
とりあえず、これでお互いに許しあえたので一件落着って感じと判断して良いだろう。
ここからは、気になる事等を質問してみるとしよう。
「ねぇ、名前は有るの?」
鑑定した所、名前は無しと表記されていた。
となると、名前は無いと判断してよいだろう。
だが、本人が名前と呼べる何かを持っているかもしれないので聞いてみた。
どうせなら、名前で呼びたいしねぇ。
「名前?無い、よ?」
「あ、うん」
やっぱり、無かったみたい。
さて、どうしようか。
こういうのって、本人が名前を考えるのか私達が考えるのかどっちが良いんだろうか。
「ママが、名前、決めて」
「え、良いの!?」
「ん。ママが、考えた名前が、良い」
何と、幼女ちゃんの名前の命名権を頂きました。
これは、失敗は許されませんね。
私の脳細胞をフル稼働させて考えねば。
・
・
・
・
「ヒスイ」
「ヒスイ?」
「そう、ヒスイ。あなたの名前は、ヒスイだよ」
瞳を見た時に、翡翠色の綺麗な瞳だなぁと思った。
だから、ヒスイって安直な名前だけど許して欲しい。
これ以上は、この子に合いそうな名前が思い付かないんだよ。
「ヒスイ……ママ、ありがと。嬉しい」
「う"ッ"……どういたしまして」
危なかった。
危うく、ヒスイの笑顔でまた吐血(※しません)してぶっ倒れる所だった。
良く耐えた私、偉いぞ。
私は、耐えた自身を内心で誉めながら次の気になる事をヒスイに聞いた。
「ねぇ、ヒスイ。何で私はママ呼びなの?私は、ヒスイを人化可能にはしたけど、元々ヒスイは自然の魔力が集まって生まれたダンジョンだよね?」
「?ママは、ママだよ?」
「???」
頭の中を?が埋め尽くす。
が、ヒスイが直ぐに続きを話してくれた。
「不完全、な状態でダンジョンになった。けど、生まれた切っ掛けは、ママのおかげ。人の姿も、ママがくれた。だから、ママは、私のママ」
「そっか。教えてくれてありがとね」
「ん」
切っ掛けに過ぎないとはいえ、ダンジョンも人の姿も生まれる事が出来たのは私のおかげ。
だから、ヒスイは私を生んでくれた親としてママと呼んでくれている。
うん。素直に嬉しい。
心が、癒しやワッショイとは違う暖かさに包まれるや。
これが、親心ってやつかなぁ。
それにしても、ヤバイな私。
フェリなんて美人眷属まで居るのに今度は、美幼女な娘まで出来たんだけど。
え、運良くない?
私って運が悪い部類の筈だよね?
何か、幸福で傾いたバランスを取る為に馬鹿デカイ不幸が起きそうで怖いんですけど。
「どうかしたのかいアカリ?」
「ママ?」
「ん?」
二人の心配そうな声にどうかしたのかと顔をあげる。
すると、何か勘違いさせたのか二人は私を心配そうな表情で見ていた。
どうやら、自身の運に関して考えていただけなのだが、思ったよりも私の顔に不安の表情が出ていたみたいで心配させてしまったみたい。
うん。ちょっと申し訳ない。
恥ずかしいが、正直に話すとしよう。
「いやさぁ、私って運が悪いじゃん?」
「?」
「そうだねぇ」
瀬莉が、即認めたのが酷いと内心思った。
せめて、ちょっとは「違うよ」「気のせいだよ」とか否定してくれても良いのに。
だが、今は私の運が悪い筈という話なので気にせず話を続ける。
「でしょ?その割には結構運が良い事が最近ちょくちょく起きててさぁ。今回とか、ヒスイが生まれた事とかね。だから、何かしらバランス取る為に不幸がおきるんじゃね?って思って」
「なるほどねぇ」
「なるほど」
二人が、私の言葉を聞いてうんうんと頷く。
特に瀬莉は、前世の高校時代の私を知っているだけに私の話を聞いて真面目に考え込んだ。
「まぁ、そんなあからさまにヤバイ不幸は起きないと思うよ?前世と違って今世のアカリは災害レベルの強さを身に付けてるのだから。仮に何か起きたとしても幾らでも対応可能なのだから気に病む事もないんじゃないかい?」
「そうかなぁ」
瀬莉の言い分も間違いじゃない。
今の私は、それなりに強くなったのでよっぽどの事が起きない限り負ける事はないし吸血鬼の生命力と回復力、再生スキルの再生力で一発で身体の半分近くが消し飛びでもしない限り簡単には死なないだろう。
なので、戦闘で死ぬ様な事は少ないと思う。
それ以外でも、スキルで大半のトラブルも回避出来るだろうしAランク冒険者の立場を使えば、よっぽどな権力者でなければスキルを使わずとも黙らせる事も出来るだろう。
あれ?改めて今の自分を振り返るとヤバくない?
「もしかして、そんな心配しなくても問題無い?」
「寧ろ、アカリが心配し過ぎなだけだと思うがねぇ。そもそも、既に男爵、ダンジョンと二度も問題事にぶつかったのだから、三度も連続で不幸は起きないと思うよ」
「あぁ、確かに」
瀬莉の言う通り私既に面倒事に遭遇してたじゃん。
確かに、二連続で面倒事が起きたのなら次の面倒事や不幸が起きるまで流石に多少のスパンがあるかも。
「そういう事だよ。前世だって、一週間以内で何連続も大きな問題事は起きなかっただろ?あっても、せいぜい小さな問題程度だったじゃないか。だから、心配せずとも大丈夫だと思うよ」
「そうだよね。流石に何連続も不幸が起きる訳ないよねぇ」
「そうだよ。…………多分」
「お願いだから、マジで多分は止めて」
「すまない」
本当に、そこは多分ではなく問題無しだと言い切って欲しかった。
ただ、瀬莉と話してて面倒事が起きても大丈夫だと多少は安心感が持てたので結果オーライと思う事にしよう。
「ねぇ、ヒスイ」
「ん。何、ママ」
「服着なくて大丈夫?寒いならタオル増やすけど」
現在は、外が真っ暗闇な寒く冷え込む真夜中。
ヒスイは、今サイズの合う服が無いのでバスタオルを身体に巻いてるだけ。
土属性魔法で小屋を造り部屋の片隅に焚き火を焚いてるとはいえ寒くないかと心配なのだ。
「大丈夫」
元がダンジョンコアなので問題無いのか、ヒスイは私に大丈夫だと返してくれる。
しかし、それでも心配なのに変わりない。
「ごめんね。私が、ヒスイの身体に合う服を持ってるか作れたら良かったのに」
うん。
この言葉が駄目だった。
「分かった。創る」
「え?」
言葉を意味を脳が理解する前に全て終わっていた。
ヒスイの手元が光ったと気付いた時には既に遅く光が収まった時には、ヒスイの手には子供サイズの小さなメイド服が握られてた。
「ママと、お揃い」
「そうだねぇ。お揃いだねぇ」
あぁ、向かいからグサグサと視線が突き刺さる。
マジで、どうしよう。
人化のスキルしか持ってないって隠し事をしたばかりなのになぁ。
私は、瀬莉からの痛い位に鋭い視線にどう対応しようかと悩むのだった。
※※※※※
私です。
折れました。
はい、素直に話しましたよ全部。
え?即折れすぎだろって?
いや、私だって最初は誤魔化そうと思ったよ。
でも、あれは無理だって。
人化のスキルしか持ってないって私最初に断言しちゃってるんだもん。
いくら誤魔化そうとしても、上手く誤魔化せるろくな言い訳が一つも出なかったんだよぉ!!
無理ゲーだってあんなの!!
そんな訳でして私は、誤魔化しきれずに全て瀬莉にお話をした訳でした。
そして現在、私はヒスイにメイド服を着させてあげてる所です。
「そう、そこから手を通して。うん。上手上手。後は、服をおろして後ろのここを結んで。完成、うん。可愛い」
「似合ってるじゃないか。可愛いよヒスイ」
「ん。嬉しい」
私と瀬莉に誉められたのが嬉しいんだろう。
ヒスイは、両手を挙げながら笑顔を浮かべて私と瀬莉にメイド服姿を見せてくれた。
うん。本当に可愛い。
「にしても、創造か。ヒスイ、その力は、何でも創造出来るのかい?」
瀬莉の気にしている事は私も理解出来る。
仮に、文字通り何でも創造可能なスキルだった場合がヤバすぎるからだ。
なので、話を振られた現在私の腕の中で抱えられているヒスイの返答が私も瀬莉も目茶苦茶気になるのだ。
「う?……んん~~出来る。けど、無理」
「それは、どういう意味だい?」
出来るけど無理。
うん。どゆこと?
私も瀬莉もヒスイの矛盾している言葉に?を浮かべているとヒスイが、矛盾している意味を教えてくれた。
「大体のモノは、創れる。けど、創造は、魔力が沢山必要。だけど、私、生まれたばかりのダンジョン。それも、不完全。完全になって、他のダンジョン程、大きく成長しないと無理」
「なるほどねぇ」
瀬莉は、ヒスイの言葉に納得したのか何度も頷いている。
私も、瀬莉同様に矛盾していた意味を知れて納得して同じ様に小さく頷いていた。
が、矛盾の意味はこれだけではなかった。
「それに、魔力を使い過ぎると、地脈の魔力が無くなる。自然に、悪い影響が出る。私、生まれる時とママとお姉さん殺そうと、創造を沢山使って、周辺の地脈の魔力を殆んど使った」
「もしかして、外の森が枯れてるのって」
「ん。私が創造使う為に、地脈の魔力全部使ったから。魔力が無くなって、枯れた」
深刻そうな表情で、ヒスイが答えてくれた。
理由判明である。
森が枯れていたのは、創造のスキルが原因であったとは驚きだ。
そういえば、糞魔王も似た様な事を言ってた気がする。
地脈の魔力を糧にして魔物を創ってるとか何とか言ってた様な?
まぁ、つまりヒスイは、私達に対処する為に土地とそこに生える植物すら死滅する位に地脈の魔力を根こそぎ消費して創造を使用していたと。
だから、見える範囲の地面と森の木々と草花が死んでいると。
よく、ラノベや漫画とかで地脈のエネルギーが無くなるとヤバイ展開になる事がテンプレだったけど、やっぱり現実に起きるとヤバイ事になるんだねぇ。
けど、しばらくしたら元に戻ったりしないのかな?
「時間が経てば、地脈の魔力は元に戻るの?」
「ん。元に戻る」
どうやら、時間が経てば戻るみたい。
なら、多少は自然に影響が出ても時間経過で元に戻るので気にする事は無い。
だから、そんな気にしなくて良いとヒスイを励まそうかと思った。
「だけど、大きな悪い影響を出すのは、絶対に駄目。過度な、自然への悪い影響、自然破壊を引き起こすと、抑止力に消される。…………私、消されるかも」
「…………ん??」
待って、何か急に雲行きが怪しくなってきたんですけどお!!?
~~~~~~~~~~
※本編とは無関係です。
どうも作者です。
いつもご愛読ありがとうございます。
100話突破しましたねぇ。
正直、どっかのタイミングで失踪するかと思ってましたが、一年も続いてる上に前話の100話で遅いのかしりませんが百万PV達成してて作者自身が驚いてます。
まぁ、そんな作者の話はどうでも良くて。
※アカリの秘密その7
あまりの不幸さに小学一年生の頃に両親にお祓いに連れていかれた事がある。
しかし、一切悪霊に取り憑かれても何かに呪われてもいないと言われた。
そして、次の日の登校中に信号無視の車に轢かれそうな所を自治会の見守りの人にギリギリで助けられた。
以上
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