推敲

『熾火を渡す』、早速読んでくださりありがとうございます。

 文章が荒いままの投稿となりましたが、早く出さなければ締切に間に合わないと思い、ひとまず投稿という形をとりました。ですので、読者さま置いてけぼりな描写が多かったと思います。


 今日はその補足となるので、まだ読んでいないけどネタバレしても別に平気~と思う方はこのままお付き合いください。ちなみに私はネタバレ平気な人間です(ボソッ)


 小説はこちら↓

https://kakuyomu.jp/works/16816700427487048593











1「登場するお姉さんは『雪女』の娘である」

 元々このお話のコンセプトは、小泉八雲の『雪女』の続きでした。

 雪女(お雪)って、10人子供を産んでも若いままだった、つまり歳をとらなかったのかなあ、と思ってたのですが、それを考えると、「子供も歳を取らない=成長しないのでは?」と思ったのです。

 でも村人が怪しまないということは多分、一番上の子は大きくなっていたはずなんだよなあ。ライトノベルなら『半分妖怪の力をもつ』のが定番ですが、異類婚姻譚では子供は人間な気がします。

 じゃあもし、一番末の子が、雪女の性質を受け継いで子供のままだったら? というのが、物語の始まりでした。


 なので、夏なのに雪が降っていた理由は、お姉さんの神隠し的な感じです。本人は夏でも涼しくいたかっただけなのですが、うっかり主人公が迷い込んで「あ、やっべ」と思いました。

 当時、お姉さんの家は、普通の人は入れない場所にありました。



2「お姉さんの過去」

 お姉さんが生まれたのは幕末ぐらいです。

 お姉さんは妖怪なので、中々成長しません。このままでは赤ん坊のまま取り残されてしまうと考えたお父さんは、お母さんを探しに行きました。というのも、お父さんはお母さんに「子供たちを幸せにしなかったらコロス」と言われていたので、家を離れたらお母さんが殺しにくる=お母さんに会えると考えたという設定です。

 でも私的に、異類婚姻譚でタブーを破ったら二度と会えないのではないかなあと思いました。なのでお父さんはどこかで死んでしまいました。


 やがて時代は変わり、子供たちが独り立ちしたどころか孫すら独り立ちした一番歳の近い姉と暮らすようになります。この時は8歳ぐらい。お姉さんの姉は雪女の血が他の人よりも強く、多分お姉さんを人の目から守るように隔離していたのですが、やがて寿命を迎えます。

 この時お姉さんは逃げ出してしまい、一度家に帰るのですが、村は空襲で焼けていました。(青梅も戦争終日に空襲があったそうです)


 お姉さんの成長は、大体10年で1歳の計算です。なので、主人公と会った時の外見年齢は13歳から14歳ほどでした。

 雪女じゃなくても、人の成長って一律じゃないと思うの。長い子供時代が必要な人もいるよな、って思いました(自分と言い張る)。それが許される社会かはわからないけども。



3「この物語のテーマ」

 早速コメントをいただきました。ありがとうございます。

 実はこのお話、「家族愛が支えの物語」ではなく、「家族からの解放」の物語でした。終わり方があれだから真逆にとられるなと読み返して思いました。


 火もいらない雪女のお姉さんにとって、囲炉裏を囲って団欒する家族は、重荷でしかない存在だったのです。


 家族が素晴らしいと謳われることが多いですが、人間と人間のぶつかりには、綺麗事ではすまないことが多いと思います。家族を置いて家を出て行くことだってあります。それを「家族を捨てる」と表現する人もいます。でもそれも、健全な成長のひとつだと思うのです。

 お姉さんは子供時代が長く、大人(家族)に守られつつも縛られていました。本当は火が嫌いなのに、自分一人では何も出来ないと、囲炉裏のそばに縛られ続けていました。それが姉の看病をしていた時に、爆発してしまいました。

 でもいらないものだからといって、どうでもいいものでもなかったのです。

 囲炉裏の火は、木材の含水率を下げて、腐食を防ぐ役割がありました。いらないけど、どうでもいいわけではないものを守るために、それから贖罪のために、彼女は義務と罰として囲炉裏の火を守っていました。


 なのでこの孤独からの解放とは、『家族からの解放』=『お姉さんが大人になるための物語』でした。

 大人になるということは、守る子供が出来た時じゃないかな、と思います。お姉さんは最後に登場する年配の男性に家を委ねることで、ようやく子供時代を終え、家族から解放された、……と書きたかった。

 伝統に縛られて苦しんでいる人達を見て、「じゃあ伝統終わらせちゃえ」と他人が言うのは簡単ですが、自分の代で勝手に終わらせていいものなのか、と悩む人たちを考えて出来たお話です。


 ちなみにこの年配の男性は、空襲後の姉の子孫の再婚相手の連れ子なので、お姉さんとは血は繋がってません(裏設定)。



 ……というふうに考えていたのですが、字数が800字以上4000字以内であることと、「主人公は何も知らないし、それ以上尋ねることもない=誰かに喋ればお姉さんが消えるから」という設定があるため、ぼんやりした話になっちゃいました。

 10月31日までなのでそれまでに推敲したいですが、どこから手をつければいいかわかりません()。

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