「絶対にこれを読め!」と薦められる本

「アンタ、小学生に『人生でこれだけは読んだ方がいい』って薦められる本ある?」

 母にそう言われた私。

 色々考えたのですが、これだけは外せないなと思いました。


『しばわんこ』シリーズ(川浦良枝、白泉社)。


 これ大人に薦めると、

「え、絵本? じゃ、いいや」と言われるのですが、騙されたと思って一冊買ってみてください。


 中身は大人向けです。

 っていうか、ほぼほぼ百科事典なんだわ。解説が。

 絵本というより漫画に近い感じで、しばわんこ、みけにゃんこ、その他の人間たちが、季節を通して「和の心」を知っていくストーリーとなっています。そこに解説が載っていると思ってくれたら。


『しばわんこ』オススメポイント

①物の名前を知ることができる絵本

 和室の柱などの名前や、初詣の神社に売り出される物、春の七草の名前など、色んな名前が綺麗な絵とともに紹介されます。

 ちなみに私は、この絵本で初めて、「煩悩」「ヤボヨウ」「ヨンドコロナイジジョー」を知りました。


②絵と色彩がとても綺麗

 実はこの絵本、漢字がメッチャ多い上に、殆どふりがなが存在しない(新刊はふりがな多め)。私がこの本をちゃんと理解したのは、大分年齢が上がってからです。

 それでも全巻揃えていたので、好きな時に読んでいました。絵がとっても綺麗だから。特にお料理が美味しそう!


③ジェンダーの役割をあえて外した登場人物

 もうね、絶対ここはオススメしたい。

 まず、主人公のしばわんこと、同居人(猫?)のみけにゃんこなんだけど、この二人(二匹?)の性別が決まってない。しばわんこはよく割烹着も着るけど烏帽子も被るし、みけにゃんこは十二単とか着る。これは作者様の「あえてそうした」部分なんだそう。しばわんこは好きで家事をして、みけにゃんこはぐーたらして上手いところだけ参加します(笑)。

 それから、他の登場人物、例えば「おそば屋さん(途中で陽一パパと表記される)」はシングルファザーで双子を育ててるんだけど、途中で「ゆきちゃん」という人と結婚するんです。

 でも彼女は、初登場から徹底して「ゆきちゃん」なんですよ! 「ゆきちゃんママ」とかじゃなくて!

 あと、第一話から「アルバイト少年(長いこと名前が明かされなかったレギュラーキャラ)」がいるんですけど、そのおばあちゃんも出てくるんです。で、巻の最後に登場人物(動物)紹介がされるのですが、そこにはなんと、「さちこさん」と書いてあるんです。名前でちゃんと紹介されます!

 さちこさん好きです。あんな人になりたいです。


 他にも、手紙の書き方、和室の作法なども載っています。マナー本としても役に立つので、『しばわんこ』は手元に置いておくと、すごく助かると思います!

 小学校の司書の先生も、この本を推してたので、私ら世代は結構知ってるかも?

 でも私がすすめるなら、絶対にこの本ですね!

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