上手く……いくかも?
「おはようございまーす!」
と、朝6時に勢いよくカーテンを開ける院長先生。
それがほぼ毎日だったので、正直、寝てる時に来るとビックリでした。
院長先生はものすごくいい人で、患者さんと話をしたいがためにこうして毎朝突撃して、全員のベッドをまわるそうです。
それに、よく看護婦さんに叱られている場面に出くわします。
「フワッとした説明じゃなくて! もっと具体的に言わないと患者さんに伝わりませんよ!」
とか。
「先生! いきなりだとびっくりしますよ!」
(この時私はお腹に置いておいたぶっとい
とか。
……いや、すごくいい先生ですよ。
面白いし、話しやすいし、色々な事を相談しやすい人ですので。
それにこうして意見をはっきりと言える環境って、患者さんにとってかなりいい環境じゃないかなって思います。
さて、話は戻りますが。
毎日外に出ている
その事をほぼ毎朝院長先生と話すのですが、
「あの処置(
はははーと笑いながら
私の治療は、今のところそれしか無いようなのです。
……いつかって、いつでしょうね?
それにごはんのあとも相変わらずに痛みます。1日一回は
なので退院まではお
ですがここまでで、気付いたこともありました。
もしかして……
そう思いましたが、ものすごい機械で隅々まで調べてもらっています。その結果が『クリップのズレ』なのです。
まさか……とは思いましたが、私の思い過ごしだろうと、疑ってもいませんでした。
だって私の
院長先生(病院で一番偉い人)なんだもん……。
入院から1ヶ月たった頃、先生が新たな動きを見せました。
「ちょっと出口を
そう言って、お腹から生えているチューブをいじり始めました。
私のお腹から生えたチューブは、点滴に使われる物と一緒です。
その
「これやったらたぶん止まるんじゃないかなーって思ってさー」
「先生! 多分じゃなくてもっと明確な理由で処置しないと! おるかさんひいてますよ!」
すみません、適当な理由に思いっきりひきました。
これで苦しくなったらナースコールで教えてねーと、軽く笑った主治医さんはつまみを
軽いなー、先生。
私はその後ろ姿を見送りながら、残った看護婦さんに問いかけました。
「院長先生って感覚で生きてる人なんですかね……」
「本当にごめんねーおるかさん。先生って感性の人みたいで」
「でも大抵の天才って、どこか変わってる人多いですよね」
「あー確かに。うちの名医って呼ばれる先生ほとんどどこかずれてる人だね」
そんな軽口を看護婦さんと叩けるほど、入院生活が長く続く私です。
結果的にその状態でもったのは4時間弱で、息が苦しく、痛みも出てしまったのでまた開通してもらいました。
そのとたん、
その後、再入院してから1ヶ月が経ちましたので、とりあえずお腹のチューブは抜かずに退院しようと言うことになりました。
その前にチューブから
再入院の時にはLLの卵の大きさだった
「おやぁ? この道(
主治医さんのそのセリフって、とんでもなく恐ろしいですよね。
そうです。
後でわかったのですが私の
この
まあ。つまり、毎食後はだだ
その後、退院する3日前から急激に
「ほーらー。俺の言った通りじゃーん。止まると思ったんだよねー」
そんな主治医さんのセリフを前に、看護婦さんと私は『ほんとかよ……』と内心思ったものです。
こうして、私の長い入院は幕を閉じたのでした。
この間、私のあとに入院してきた方は5名、先に退院した方も5名。
私が一番長くその部屋に居座っておりました。
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