第15話 ようやく、ひとつ




『なんだよこれ! 離せよ!』



 念動力の中でもがく火龍が段々可哀相になってきた。しかしこれを離したら危険な生き物を解き放つことにもなりそうで、悩ましい。私に状況を説明してくれるだろうユーリはまだ思考がまとまっておらず、断片的な情報しか入ってこないのでこの生き物の対処についてはまだ判断しかねる。ここは、とりあえず。



『大人しくここに居てくれるなら離しますよ』


『え? ……人間がなんで俺としゃべれんの?』



 こんな反応どこかで見たな、と思いながら『かくかくしかじかの超能力者なので』と返しておいた。そしてやっぱり『気持ち悪!?』とどこかの妖精と似た反応をされた。……肉体を持っているが、何故だろう、反応だけではなくあの妖精と似た何かを感じる。



『これお前の力なのかよ……落とし子にしても変な奴だな。とりあえず降ろしてくれよ、俺はこの土地を管理しなきゃいけないんだよ』


『土地の管理、ですか?』


『そ。俺が居なかったからこの土地、すっげぇ痩せちゃってるだろ』



 火龍が移動する気がないのも、その言葉が事実なのも伝わってきたのでひとまず彼を地面に降ろした。途端に火龍の触れた土へと魔力が流れていくのが分かって、少し驚く。暫くここから動けないらしいので、そのまま話を聞いた。


 火龍曰く、この国の土地にはあちこちに管理者がいる。龍や妖精などはそれにあたり、土地に魔力を満たす役割を担っているのだという。国によって姿や形、管理の仕方は変わるがこういう特殊な神の遣いが世界中にいるのだそうだ。

 そしてこの土地は管理者である彼が暫くいなかったので、魔力が枯渇気味になっている。何故いなかったのかという話を聞こうとしたところで「ハルカ」と名前を呼ばれ、そちらに顔を向けた。



「火龍と見つめあって何をしているんだ?」


『ああ、落ち着いたんですねユーリさん。今、この龍と話をしてて』


「そうか、話を…………火龍と話ができるのか!?」



 ユーリがまたもや固まってしまった。精神感応でコミュニケーションをとるなら言語は必要ない。つまり、ある一定以上の知性を持った相手なら何であっても話せるのである。

 さすがに動物には人間ほどの知能はないが「すき」「きらい」「ごはん」「ねむい」のような単純な意思や感情なら読み取れるし、この火龍や妖精のようなはっきりとした意思を持つ存在なら、会話は出来て当然だ。そしてそんな説明を目の前にいるユーリと火龍に同時にすることも精神感応なら当然可能である。



「当然、なのか……?」


『いや、特殊だと思うぜ俺は』



人間は龍と話せないようだが、少なくともこの火龍は人間の言葉を理解しているらしい。グルグルと喉を鳴らしてユーリの言葉に返事をしている。まあ、ユーリには伝わらないのだが。



「火龍は危険な存在のはずなんだが……この子は大人しいな」


『この龍、自分は土地の管理者だって言ってますけど……』


「……詳しく聞きたい。龍という生き物の認識が間違っているのかもしれない」



 ユーリの話では「龍」と名がつく生物は三種存在する。火龍、水龍、土龍。どれも人が相対すれば蹂躙されるだけの強大な自然災害レベルの化け物で、魔物とは一線を画す。しかしそれらは一体ずつしか存在せず、ほとんど人里に姿を見せることはない。しかも五十年ほど前に火龍の死骸が発見され、危険の一つが消えたことを人々は喜んでいた――はずだった。



『ふーん、人間にはそんな風に思われてるんだな』


『……人間を襲うんですか?』


『襲ってる訳じゃねーよ。お前らだって虫に集られたら払うだろ?』



 どうやら龍に怯えた人間が攻撃を仕掛けて返り討ちにあっているだけのようだ。それは仕方がない。妖精だって宝物を盗られたら激怒するし、龍だって煩わされたら怒るのだろう。彼らは“神”に通じる不思議な存在のようだが、しっかりと感情もあるのだから。

 火龍の言い分を伝えると、ユーリはほっとしたようで小さく笑った。



「そうか。ならこの子を討伐しなくて済むんだな」



 ユーリは生まれたばかりの子供を殺さずによかったと思っている。育てば大災害になるなら今のうちにその芽を摘むべきなのか、と悩んでいたようだ。

 しかし卵から孵ったばかりであるはずのこの龍は、知識も豊富にあってどうも子供ではなさそうなのだけれど。そのあたりの事情を尋ねてみた。



『龍は肉の体を持ってるから生まれ変わるんだよ。記憶は引き継いでるけどな。……卵が溶岩の中に落ちちまって焦ったぜ』



 龍が生まれ変わるための卵は他の生物に見つからないような場所にできるのだが、今回は火口の中でありつつ溶岩の届かない安全地帯に卵があったのだそうだ。

 卵自体は丈夫なので溶岩の熱にも耐えうるが、生まれたての龍はひ弱で溶岩の熱に敵わない。それが地震でころりと溶岩の中に落ちてしまった。おかげで五十年復活できなかったと言われ、首を傾げる。



『それは世界の構造としてどうなんですか?』


『これも神様の与える試練ってやつなんだよなぁ。一応、あと二十年くらい魔力を溜めれば出られただろうけど、その時にはこの土地はもっとひどいことになってたと思うぜ』



 こういう卵から出られなくなった場合の対処法として卵内部で育つ機能も備わってはいるらしい。ただし時間がかかるし、魔力も土地から集めているのでどんどん土地が痩せていく。

 システムの設計ミスではないかと思うレベルの話だが、そうなっているという。何もない穏やかすぎる世界では生き物も停滞するので、神が試練として度々こういうことを起こすのだそうだ。地震で卵が溶岩に落ちたのは神の意思なのでこれは定められた運命であり、本来ならあと二十年この土地の魔力が減り続けるところだったけれど、私の存在がそれを止めた。



『私、異世界人なんですけど干渉してよかったんですかね?』


『お前をこの世界に呼んだのはここの人間だろ? だからいいんだよ、この世界の生物の行動で変わったんだから』



 この世界の生き物が打開策を打ち出したようなものだからいいと言われた。火龍自身も何年も動けないのは退屈で困っていたところで、出られたことを喜んでいる。そして『俺の土地を試練の場所に選ぶなんて酷いぜ』と神に対して愚痴を零していた。……この世界の神は、一体どんな存在なんだろうか。

 元の世界に神という存在はいなかった。幽霊は見たことがあったし、神社や寺に“何か”が居ると感じたことはあるものの、それらはこうやって生活に干渉するものではなかったから不思議だ。さすが異世界である。



『これから回復させるのには時間かかるけどよ……それでも二十年分は楽になった。だからお前には感謝してる。礼にこれやるよ』



 火龍がペッと何かを吐き出した。手のひらサイズの真っ黒な玉で、妖精にもらった魔石とよく似た濃密な魔力の籠ったものだ。それを拾い上げて、ユーリの方を見てみる。これこれこういう理由でお礼として貰った、と精神感応で説明しながら。



「……実際に傍で見ていても訳が分からない……」



 妖精の時と同じような反応をしている。私もこの世界の謎が深まったので、頷いた。妖精も火龍も訳が分からない存在である。でも、とりあえずこの土地の魔力はこれから回復していくようなので結果的に良かったのではないだろうか。



「まさか火龍の宝玉をこの目で見ることができるとはな」


『これも特殊なアイテムですか?』


「それを持っているだけで魔法妨害ができる。魔法による攻撃や干渉を跳ねのけるものだ。妖精の瞳と同じように魔石としても使えるだろうが……」



 さすがにその使い方はもったいない、とユーリは思っている。しかしそれ以外の使い方が思い浮かばない。妖精の瞳があればこちらを使う機会はない気がするので、部屋の机の引き出しにでもしまっておこうと思う。

 私は元から念動力の壁を張っているから、魔法妨害を常時展開しているようなものなのだ。神からの加護ですら受け取れないバリアである。人間の魔法が効くとも思えない。……いつか使い道を思いつくといいのだけれど。



『この龍はしばらくここから動けないそうですよ。でもこの土地の魔力問題は万事解決ですね。次は魔物狩りに行きませんか?』


「…………………………ホームの付近で魔物を見かけることはないんだがな。ただ、近くの村で最近魔物を見かけたという話を聞いたからそれを退治するのがいいと思う」



 長い沈黙の間に『問題解決の仕方が問題のような』『もうこの火龍は気にならないのか?』『大雑把すぎる』などという思考が巡っていたが最終的に色々諦めたユーリが狩れそうな魔物の情報を教えてくれた。

 ホームの近辺に他の民家はない。だがこの辺りに全く人がいない訳ではなく、二時間ほど歩くと村がある。セルカたち程ではないがやはり色の薄い人間が暮らしている村だ。ホームがある場所よりは少しだけ土地の魔力が多く、魔獣も出やすい。十年に一度くらいなら魔物も見かけるという。



「魔物は魔力が豊富な土地にいるものだから、こちら側ではあまり見かけないんだ」


『へぇ、じゃあ運がいいですね』


「……普通は運が悪いと言うんだがな」



 魔力の薄い人間が魔物に出会ったら死ぬしかない。彼らがこの魔力の少ない土地に住むのもそれが理由だ。

 王都付近は土地の魔力が多いから、魔物の出現も多くなる。それでも王都が栄えているのは、魔物を討伐できるくらいの魔力の持ち主をしっかりと囲い込んでいるからだ。街の近くに魔物が出れば国お抱えの冒険者がそれを討伐し、その肉が貴族たちのご馳走になる。肉の切れ端などがたまに平民の市場に流れて、高級品としてやり取りされるのだとか。



「この辺りに出るということは、恐らく魔物同士の争いで縄張りを追われたんだろう。それも傷が癒えたらすぐに魔力の豊富な土地に移動する」



 魔力が少なく暮らしにくい土地だが、魔物はほとんど現れないので薄色でも安全な土地だった、ということか。……それはつまり、火龍が戻ってきて土地の魔力が満たされるようになったら魔物が増えるということでは?



『私、この土地の危険を増やしてしまったのでは……?』


「二十年後には戻れた、と火龍が言ったんだろう? いずれ訪れる未来でもあったし、君のせいではない。それに、土地に魔力が増えるのは本当にありがたいぞ」



 だから気にしなくていい、と笑われた。魔力枯渇気味だったこの土地の魔力が回復していったとしても、歴史的に見てこの国で最も魔力の濃い王都の辺りより濃くなることはないだろうし、魔物が押し寄せることもないはずだからと。

 暫くは緩やかに魔力が増えていき、少しずつ生活が良くなっていく。それを喜ぶ者はいても嘆く者はいないだろう、と言われてほっとした。



『じゃあ、安心して魔物を狩りにでかけましょう。それらしいのを千里眼で見つけたので、行きましょうか』



 私が差し出した手をユーリは数秒無言で見つめ、それからそっと触れる。彼が私の手を取る時はいつも緊張が滲んでいて、握り方も随分と力が弱い。少しでも触れていれば一緒に移動できるはずなのだが、万が一のことを考えてぎゅっと握り返した。……ユーリが驚いてドキッとしたのが分かる。

 そのまま目標の前に転移して、視界が切り替わった途端目の前に出てきた巨大な鹿にユーリがさらに心臓を跳ねさせて驚いたのが伝わってきた。


 そう、鹿である。立派な鹿角の横にさらにドリルのような角が生え、何故かバチバチと全身帯電しているような電気鹿。それは突然目の前に現れた私達を警戒し、草食獣の姿には似つかわしくない牙を向いた。サメのようにズラッと歯が並んでいてちょっと怖い。



「何故魔物の目の前に移動するんだッ!?」



 ユーリが叫ぶのと鹿が地面を蹴るのは同時だった。しかし私には念動力がある。鹿の魔物は一歩も前進することなく宙に浮いた。火山猪よりは抵抗力もなく暫く捕まえていても問題なさそうだったが、もがき続けるのも可哀相だ。……一度深呼吸をしてから、力を込めて首を落とす。すぐに鹿は大人しくなった。



「君の行動は心臓に悪い……魔物が見える距離に移動で良かったんじゃないか……?」


『いやぁ、こっちの方が早いかと思って』



 そう、その方が早いと思った。目の前に現れた何かを排除しようと、きっと襲い掛かってくるだろうから。そうして反射的に念動力を使ってしまえば――殺める覚悟をしなくて済むかとも思ったから。

 まあ、結果的にそれは出来なくて、結局宙に浮かべてしまったのだけど。これで二度目だが、やはり躊躇ためらう気持ちは消えない。



「……大丈夫か?」


『はい。大丈夫ですよ』



 精神感応で私の感情が伝わっているユーリは心配そうな顔をしている。でも、本当に大丈夫だ。命を絶つ感覚は心地よいものではないけれど、自覚がなかっただけでいままでも他の生き物の命を食べて生きてきた。今更「殺すなんてかわいそうなことはできない」とは言わないし、言えない。

 私は暫くこの世界で生きる覚悟を決めたのだ。ユーリには世話になっているし、私ができることで役に立ちながら暮らしていくつもりである。

 これからも魔物や動物を狩ることになるだろうし、その度に躊躇うかもしれないがそれでいいと思っている。この感覚があれば、命を貰って生きることに対して感謝の気持ちを忘れることはないはずだから。



(今の日本じゃ鶏を捌く家もほとんどないだろうし……本当に、知らなかったな)



 感情の揺らぎの少ない超能力者でも少し気分が重くなる。でも、これは知ることができてよかった。元の世界でいままで通りに生活していたら“食べる命に感謝”という気持ちを本当に理解することはできなかっただろうから。

 横たわる鹿の体に手を合わせる。余すことなくいただきます、という気持ちを込めて。



『私、捌き方は知らないんですよね。ユーリさんが教えてくれませんか?』


「それは構わないが……本当に大丈夫か?」



 そっと伸ばされた手が、私の頬に触れる前にピタリと止まった。私が殺生に忌避感を覚えることも、今少しだけ心が疲れたこともユーリには伝わっているから慰めようとしてくれている。でも、触れていいのか、どう慰めていいのか分からず止まってしまったようだ。



『その気持ちだけで充分ですよ。……ほんとうに』



 私を心配する優しい気持ちにほっとする。言葉通り「気持ちだけで充分」なのだ。そもそも感情の揺らぎの少ない超能力者である。先ほどまであったほんの少しの苦しさも、ユーリのおかげでもう落ち着いた。



「君は私の役に立とうとするが……嫌だと思うことはしなくていい。私は、君が笑ってくれるのが一番嬉しい」



 それは本当に心の底から彼が思うことで、優しくて温かい感情に溢れていた。何故だか私はその感情に耐えられなくて、つい精神感応を切ってしまう。……今のは一体、なんだろう。私は抱いたことがないような、知らない感情だった。



(嫌な感情ってわけじゃないんだけど……なんだか、落ち着かない)



 でも、笑ってほしいと言われたからにっこりと笑いながらもう一度精神感応を使う。すると先程までの感情は消えていて、代わりにほんの少しの怯えと不安が滲んでいた。……笑ってほしいと言ったのは彼なのに、解せぬ。



『なんですか、笑ったじゃないですか』


「いや、すまない。君が喜んでくれたら嬉しいが、無理やり笑ってほしいわけではなくてだな」



 まあ、分からなくもない。私もユーリが喜んで笑ってくれたら少し嬉しくなるけれど、ずっとニコニコと笑っていてほしい訳ではない。つまりそういうことだろう。私の笑顔が怖いとかではなく、私が間違った反応をしたから戸惑ったのだ。たぶん。



『私もユーリさんが喜んでくれたら嬉しいですし、ユーリさんのためになることはやっぱりしたいです。せっかく二人きりなのでここで魔石の除去もしていきましょう』


「…………ああ……君の気持ちは……嬉しいんだがな……」



 喜び半分、恐怖半分といった感情のユーリが目を覆った。すでに魔石を壊す荒療治は十回を超えたが慣れることはないようで、治療を始める前はいつも怯えが滲んでいる。私も彼の苦痛にうめく姿が見たい訳ではないので、どうにかならないものかと考えてはいるのだが。

 しかしどうにもならないのでいつも通り魔石を除去した。ユーリもやはり蹲って動けなくなってしまったが、今日は今までとは違う変化が一つある。



『ユーリさん、これで一つ目の魔石は全部とれました。魔力の流れも少し良くなったんじゃないでしょうか』


「…………そう、か。ようやく一つ、か」



 長い息を吐いて顔を上げたユーリには達成感がある。痛みによる疲労感はありつつも、一歩前進したことへの喜びと満足感に小さく笑っていた。私の目から見ても、魔力の流れを阻害する魔石の一つが完全に取れたことでちょっとだけ放出される魔力が増えたように見える。

 ようやく一つだ。しかもそれは体の中で一番小さいもので、あと十六個の魔石がまだ残っているので、長い道のりになりそうである。……あと290回くらいは痛いだろうな。



『麻酔があればいいんですけどね』


「……それは痛みを取る薬か? 魔法薬の中にはなくもないが、珍しい品だな。作れる者も少ない」



 魔法薬を作れるのは火と土の二属性を併せ持っていて茶色に近い程度には魔力の色が濃い者に限られる。その代り魔法薬と呼ばれるものの効果は絶大で、たちまち傷や病を治したり、疲労を一瞬で回復したりできるらしい。RPGのゲームで見かけるポーション的な便利アイテムだろう。

 そこでふと思いついた。ユーリの石は橙色で、火と土の二属性だ。本来の髪色は焦げ茶と呼べるくらい濃い色だったというから、彼には魔法薬が作れるのではないだろうか。……魔力さえ戻れば。



『ユーリさんの魔力が半分くらい戻ったら作れるんじゃないでしょうか?』


「…………そうだな。あと100回以上は先か……」



 ユーリが遠い目をしながらフッと笑った。それは喜びの感情ではなく諦めの感情からくるもので、私が見たいユーリの笑顔ではない。……なるほど、にっこり笑う私を見るユーリはこんな気持ちなのかもしれない。複雑というか「そうじゃない」という気持ちになる。



『私、ユーリさんが楽しく笑えるように頑張りたいと思います』


「……気持ちは……嬉しいんだがな……」



 何故喜びの中に不安が滲んでいるのか分からない。魔石除去の痛みで疲れてしまったのだろうか。



『ユーリさんは少し休んでください。魔物は私が捌きますから、やり方だけ説明してもらえませんか』


「……ああ、ありがとう。それならまずは――」



 そのあとは念動力を使いながら解体をしていった。宙に浮かぶ鹿が切り分けられる様子を見守るユーリはなんだか先程と似たような、遠い目をしていて諦めの滲む笑顔だったので、やはり疲れているのだろう。

 帰ったらダリアードに蜜柑のような色をした鹿肉を使って美味しい料理を作ってもらい、英気を養ってもらいたい。


……帯電する鹿の蜜柑色の肉は一体どんな味がするのだろうか。


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