とりあえず作戦を考えよー
「ありがとうよ、楓。気持ちは嬉しいけど、中途半端に物事ができひんわ。とりあえず作戦を考えよー」
ロリババアの言葉に、俺は頷いた。
「確かに。さて、どういうもんかね」
俺が聞くと、ロリババアが言う。
「ふむ。楓のスキルを見ると、戦闘用のスキルばっか獲得しとるやん」
【鑑定】を使って俺のステータス画面を見ているようだ。
じゃあ、俺もか。
【鑑定】
そう、鑑定を発動すると、目の前に半透明な画面が現れる。
─────────────────
■カエデ レベル 99
■体力:420/420
■魔力:7890/7890
【100】STR(筋力)
【101】VIT(耐久力)
【110】AGI(敏捷度)
【100】DEX(器用度)
【125】INT(知力)
【30】LUK(幸運度)
ステータスポイント:2400 スキルポイント:1000
■職業:賢者、龍の末裔、冒険者
■ランク:ランクF
■称号:無し
■装備
頭【空欄】
体【村人のシャツ《黒》】
右手【空欄】
左手【空欄】
足【村人のズボン《黒》】
装飾品【空欄】
■魔法
【表示する】
■スキル(21/∞)
【魔術の心得】【頭脳明晰】【魔術分析】【魔術分解】【火魔法】【黒火魔法】【闇魔法】【雷魔法】【水魔法】【氷魔法 】【土魔法】【風魔法 】【光魔法】【時空魔法操作 】【付与魔法 】【超級剣術】【鑑定】【縮地】【錬金術】【賢者の権能】【超加速】
■所持アイテム
・世界地図
■所持金 ・10000E
─────────────────
「いやまあ、一応時空魔法操作も錬金術もあるが、使えないっていうか、その使い方がわらないけど」
俺が言うと、ロリババアが溜息をつく。
「あんま役に立てへんな。ワンチャン時空魔法を使ってなんとか空間に亀裂を開いて彼女のおるところに移動して、気づかれる前にまた開いた空間を通して元の位置に戻るという擬似瞬間移動みたいなこともありかと思ったんねんけど……」
言われてみればそれ出来そうだな。
後で自分の魔法やスキルをじっくりと勉強しないとな。
その他にできるのは、正面攻撃かな?
いや、考えれば愚かな考えだ。
この街の施設を好きで破壊することができないから。
隠密を強化させるスキルとかもなさそうだ。
まあ、スキルはないと知っているが、魔法は?
ほら、足音を消音させるとか全身を透明にさせるとか、そういう系の魔法。
覚えた魔法の中で約2割の呪文を完全に暗記しているが、その他の8割は覚えていない。
もし仮にそういう魔法があったとしても見つけるのも発動する方法を覚えるのも時間かかるよな。
「ねぇ、この【賢者の権能】って一体なんや?」
と、ロリババアの言葉に、俺は我に返った。
「あ、【賢者の権能】か」
そう言えばそんなスキルもあったか。
忘れた。
「【賢者の権能】は本や巻物を接触するだけで、一瞬にしてその内容を吸収するスキルだ」
「は?」
と、信じられない顔をしているロリババア。
誰がそんなことを信じるか?
「俺がこの世界に来たとき、街に近い森にいててさ。目覚めたらすぐ目の前に家が建てられた。中に入ると、ありとあらゆる本があった。でまぁ、とある本を読み終わったらこのスキルを獲得したってわけだ。覚えているスキルも魔法も、それにレベルの高さもこの【賢者の権能】を介してそういうふうになった」
俺が説明すると、ロリババアは頷く。
「とんでもないチートやな」
だよな。
「でも、本や巻物を触るだけでスキルやその内容が獲得できるか」
そうぶつぶつ呟くと、ロリババアは考え込む。
何考えているのだろ?
いや。
そんなことより、ロリババアの弟子をどうやって救えるのかな。
エリスがあまりないから普通に買うことができないだろ?
一応、またあの草原に戻って魔物を狩って魔石を集めてギルドで交換すればいいんだが、それ時間に間に合う?
5000体の魔物はあの草原をうろついている。
全5000体を殺せばまた復活するから魔石集める放題だと言っても過言ではないだろ。
低級魔法を使えば1時間以内に魔物を全体殺して魔石を集められるんだけど、そもそもロリババアの弟子を幾らで売っているのか知らないし。
一応、その殺戮プロセスを早くさせるには、やっぱ高級魔法を使わないといけないみたい。
問題は魔力消費。
魔力を全部消費したらHPが削られる。
俺の魔力量に比べてHP量が完全に劣っている。
もし、ミスったら(気づかずに魔力を全部消耗したら)俺は確実に死ぬのであろう。
この辺に強い魔物がいるのかな。
恐らくデカい魔石を落とすやつ。
アレンによってここにはドラゴンが出現し始めたが、森で遭遇したやつ以外他のドラゴンに出くわしていない。
もし、あの森に戻ってしばらくさまよっていたら、なんか出てくるかな。
森のほんの一部しか探検していないし、恐らく何かがいるだろ、強いやつ?
まあ、森をさまよいながら草原に出る魔物より確実に強いのが出るからあいつらを刀でサクサクと斬り捨てながら行ってもいいが、どんだけ頭脳明晰とはいえ、随分と軽率なアイデアだな。
このアイデアも却下だな。
と、そう決めると、やっと決意についたか、考え事から我に返って、俺のその視線を向けたロリババア。
「すぐ戻るからちょっと待って。」
ロリババアが言うと、ソファーから立ち上がり、別の部屋へと続く扉まで部屋を跨ぐ。
するとその扉を開き、中に入る。
しばらくしたらまた戻ったんだけど、その手には、厚い本を何冊も持っている。
「本?」
俺の質問に、ロリババアが首を振って断る。
「今ウチが持ってるのはスキルブックや。もしあんさんの言うことがほんまなら、容易くウチの弟子を救えると思うで」
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