分離怪人の大群現る・・・塩河救出作戦!

「ウルトライダー・ファイナル・・・戦闘不能・・・」


「生体信号は残っていますが、このままでは・・・」


悲痛な空気が本部の司令センターに流れる。

もしも人間ですらない謎エネルギーの結晶の様な化け物が現れたら

この街そのものに掛けられた緊急事態保障として

ウルトライダーファイナルの出撃が承認される。

それほどの戦いになれば他の戦闘員が巻き込まれて深手を負う可能性がある為

塩河迫だけで戦闘を行わなくてはならない。

組織の最大の切り札にして最悪の賭けだったのだ・・・


べリアロスは溜め込んだエネルギーで街の浸食を開始して

己の分身の様な怪人達をゾロゾロと生み出していく。


「とにかく、塩河迫の救出及び・・・願わくばべリアロスを倒さねば」


「ハッハッハ!なに辛そうな顔をしてるんだ君たちは」


「!?お前は・・・ウルトライダーファースト!」


昭和から活躍している彼にとっては好き勝手に暴れると言うよりは

強くなる為だけにシオカワと戦っていた動機がある。


「あの、俺達と戦うつもりはないとか言うんで連れてきましたけど・・・」

戦闘員も申し訳なさそうだ。

もう例外で顔馴染のヒーローが居るというのも事実。


「世界を闇に染める者ッ!許さんッ!!」

取ってつけた様に毎度おなじみウルトライダーシャドーも現れる。

動くたびにジャキン!とかキュピン!って音がして顔と動きがうるさい。

しかし、彼は脳筋だが善悪の区別はしっかりとしている方だ・・・

今回は悪者が悪の組織の敵と言うわけだが、敵の敵は敵理論である。いいね?


「うわあ、シャドーだ・・・」

ヒーローショーでお馴染みのウルトライダーデストロイも駆けつける。

ここには暴れん坊ヒーローもダークヒーローも関係ない

一種の連帯感が生まれていた。


さっそく、本部で作戦が練られ、即座に実行に移される。

現在の区画から分離した怪人達が出て来たら民間人にまで危険が及ぶ。

戦闘員達も逃げ出したい気持ちではあるが

自分達こそ最後の砦であるという矜持の元で防衛線を敷いていた。

市民を緊急避難させる過程で一線級の怪人達が健闘したものの

かなりの重傷を負わされて組織にとって最大の危機なのだ。


「分離した怪人は本体程強くないデータが取れました。

 本体を倒すのが最優先ですが

 残存戦闘員及び怪人、そしてヒーロー達による作戦

・・・オペレーションシオカワを決行し

浸透戦術で塩河迫・・・ウルトライダーファイナルを救出します。」


ウルトライダーデストロイが淡々と会議を進め

戦闘員と味方怪人の配置、そして暴れん坊ヒーロー達の反撃の準備が進み

いよいよ悪の組織は反撃の狼煙を上げる事となる・・・

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