悪の組織の麻雀占い:天和は死亡フラグ!?

天和テンホウ・・・それは神から授かりし約束された勝利。

麻雀に置いて配牌がなされた段階で役が成り立っている場合

特に創作の物語では国士無双などの強い手を引き当てる事で

キャラクターの剛運を物語る・・・


しかし、古来より天和と言うのは早逝の兆しと伝えられるのだ。

つまりはビンビンの死亡フラグ!

悪の組織シオカワの一翼を担う鷲尾財団の総帥:鷲尾源次郎は

特殊能力と称する麻雀占いにより、戦士の育成へと励んでいた。


麻雀とは、すなわち、平等な数の牌が配られ、不平等な面子メンツ対子トイツの配置。

その状況を速やかに判断し、相手が和了ロンする牌を投じるのを避け

牌を引いて自摸ツモで点数を獲得する。そして相手の手を読む。

正に戦いの何たるかが詰まっているのだが

昭和の代から続く鷲尾財団の麻雀占いは戦士のインテリジェンス向上

セカンドキャリアでのプロ雀士輩出などを一手に引き受けていた。


が・・・ある戦闘員が訓練麻雀中にとんでもない・・・機、舞い降りる!


「あれ?これって何引いたらいいの・・・?ロン・・・?」

パタリと倒れていく牌。モブ戦闘員:天和大三元!


「なんじゃとォ!?お前、次はお前だったのかぁ!

 高木さんトコのセガレがぁ・・・」


闇に舞い降りた天才、雀鬼タカギと恐れられた高木しげるの息子である

戦闘員の高木ヒロユキ・・・父親は現役の頃、天和を引き当てて

「まさか」と思った時、占い通り交通事故に遭うと言った災難があったのだ!!

息子には悪の組織で麻雀をさせたくないと言うのが口癖だったが

父の背中を追い、高い麻雀スキルがあるのに自ら下積みの戦闘員から初めて

コツコツ・・・総帥が孫の様に可愛がっていたこの子が・・・!

血も涙もない金の亡者と言うイメージ戦略を欠かさない

鷲尾総帥も涙・・・!怪人共済に鬼電!


「厄払いじゃーい!」


この一言で一気に鷲尾財団は麻雀スキルの天賦の才を

厄払い!勝った勝負の後で運を使い果たせば良い!

法に触れるのは悪の組織の宿命だ!

麻雀占いでこんな凶兆が出た者は別のギャンブルで厄払い!

こんな世界観に誰がした!?全部ヒーローの仕業だッ!


今日はとんでもない業物を装甲車に乗せて塩河迫が闇に舞い降ります!

ハイハイ、こちら怪人共済の厄落とし保障でーす!

ワルキューレの騎行に乗せてシオカワのお通りだぁ!

昼間っからこんな超兵器を持ち出す事になるのも景気が良い兆しでは?

違法遊技台「泥海物語」!こちら、一玉5,000円となってますが・・・

この曰く付きの遊技台をやる事により、運を相殺してチャラにしてしまう。

多くの剛運を名乗る悪の組織の首領達が挑みコツコツとそのお金を吸い取り

今では5億円分の出玉を溜め込んでいるのだ!


「ええい!ヒーローとの闘いも良いが麻雀プロの方がロマンがあるのだ!

 金に糸目は付けぬ!さぁヒロユキ君。厄払いだ打っていけ!」


「アレ、本当に死亡フラグなんすか・・・?俺の親父も確かに・・・」


「打っておけ!運を・・・使い果たせぇー!」


悪の組織はストーリー性とノリ。何でこうなったのか分からない外連味けれんみ

これがあるから毎日が楽しい!疲れは時にアドレナリンでぶっ飛ぶのだ!

投資して戴いた分は怪人共済の資金として運用させていただきますが

皆さま方はギャンブルと言う者とは出来るだけ控え目にしましょう。

いずれ射幸性の為に全てを費やし金銭感覚が狂うのですから・・・


ガシン!ガシン!ガシン!鉄壁の役物から4連クルーンへ・・・

入ってしまったぁー!やはり闇に舞い降りた天才!

なんと、これまで溜め込んでいた泥海物語5億円分が・・・

高木ヒロユキ氏に引き渡される事に!!


「さすがだな息子よ・・・」


「お前はタカギ!」


そう。雀鬼タカギは確かに天和をアガった後

当時のウルトライダーにバイクで轢かれる事故に遭ったものの

奇跡的にも生き延びて現在も健在なのだ。


「ジジイ。占いなんてインチキまだやってんのかよ。

 さっさと地獄に堕ちろってんだ。」


「だってぇー。本当に死なれたらイヤだし

 催しモノがある方が組織的に盛り上がるんだもーん!」


「#ジジイ可愛いなうで今の写真撮っといたからな?

で、どうする息子よ?その剛運、戦闘員には余ると思わないか?」


「そうじゃな。勤勉な若者だし、今時のFIREと言う生き方で・・・

 鷲尾財団から独立しても・・・」


「いえ!この剛運でいつの日か父を轢いたウルトライダーを

 殺・・・ボコボコにする為、精進します!」


日頃から部下の表情を伺い優しくしてるぐらいでようやく忠誠を誓えるのです。

ヒーローとの闘いで傷つきながらも優しさを忘れないあなた方の苦労は

新米戦闘員であろうとも身に染みて理解してもらえる事でしょう。

いきなりワケの分からないトコでブチギレてどこで怒るか分からない上司。

そんな人間は悪の組織には向いてない小悪党です。

怪人共済ではハラスメント防止として、常にトップとボトムの両面から

中立の立場で思想の共有を図り、いつの間にか見失った大義名分。

そう言った本質へ向かう為に日々努力しております!

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