第24話


「ウィンド・カッター!!」


俺は近くにある大木に向かって、風魔法を唱えた。


ズバン!!!


「おお…!」


空気の裂けるような音がなった。


それと同時に、大木に深い切れ込みが入る。


目を見張るような威力だ。


たった一発で、大木の半分ほどを切断している。


火属性初級魔法のファイア・アローなどとは比べ物にならない威力だった。


「なっ…本当に中級魔法を…?」


シエルさんがなにやら呟いて、目を丸くしている。


俺は次々と魔法を試して行った。


「ウィンド・シュート!」


ビシュッ!!!


鋭い音と共に、狙いを定めた木の幹に、弾丸で貫いたような跡が出来た。


まるで銃弾で撃ったかのような威力だ。


人間に向かって撃ったのなら、きっとその頭蓋を粉々に打ち砕くに違いない。


先ほどのホワイト・グリズリーのようなモンスターに対しても、有効な攻撃手段になるだろう。


ではいよいよ最後の魔法を試すとしよう。


「トルネード!!」


直後、俺は後悔することになる。


なぜなら。


ブオオオオオオオ!!!!


「うおおおおお!?」


「んなあああああああ!?」


信じられないぐらいの強風が巻き起こり、俺とシエルの体が宙に持ち上がった。


やがて強風がやみ、俺とシエルは結構な高さから地面に叩き落とされた。


「痛てて…」


体をさすりながら起き上がる。


幸い怪我はない…


だが、シエルの方は…


「すみません!シエルさん!大丈夫ですか!?」


「あ、あぁ…このくらいなんでもないわ」


すくっと起き上がるシエル。


特に怪我はなさそうで、安心した。


「有馬殿」


「は、はい…なんでしょう」


「今の、…お主が使ったのは…風属性中級魔法のトルネードか?」


「は、はい…そうですけど…」


「そうか…なるほど…」


「シエルさん…?」


「信じられん…使えるようになるまで最低10年はかかると言われる中級魔法をこうもあっさりと…」


「え、10年…?」


今すごいことをきいたような気がする。


「中級魔法ってのは…10年もかかるほど難易度が高いんですか?」


俺が尋ねると、シエルが頷いた。


「ああ。最短で10年だ。普通は15年程度…20年かかるのもザラだと言われている」


「そ、そうなんですね…」


「それをお主は一瞬で習得した…スキルの力というのはやはり凄まじい…王族連中がこぞって異世界人を召喚したがるのもわかる気がするな…」


シエルは信じられないと言った口調でそう言った。


どうやら中級魔法ってのは、この世界だと相当すごいものらしいな。


まぁ、あのレベルの威力の魔法を使える人間がたくさんいるってのもおかしな話か。


「これなら…有馬殿が本当にジャイアント・スネークを倒してしまうかもしれないな…」


「が、頑張りますけど…あんまり期待はしないでくださいね…?」


期待の眼差しを向けてくるシエルに、俺は釘を刺しておく。


その後も俺はシエルと共にモンスター狩りを続け…


「よし…溜まった!!200GP!!」


日暮れまでに、さらに二回分のガチャポイントを貯めたのであった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る