第8話


エレナに名前を呼ばれた俺と地味系の女子である上原は前に出た。


エレナは、俺たち二人に蔑むような視線を向けてくる。


「他の皆さんはご安心を。追放されるのはこの二人のみです」


「ふぅ…」


「よかったぁ…」


「危ねぇ…」


「セーフ…」


エレナの言葉に、クラスメイトたちが安堵の息を漏らす。


だが、選ばれた俺たちからしたら溜まったもんじゃない。


特に、上原は俺以上に混乱し、あたふたしていた。


「つつつつ、追放!?わたしたちが…!?どうして…?」


「それはあなた方がどうしようもない役立たずだからです」


エレナがニコッと笑いながらいった。


いや、笑ってない。


目が。


かつてこれほどまでに寒々しい笑顔を見たことがあるだろうか。


思わず身震いするレベルだ。


「あなた方のスキルは鑑定したところ、Gランク以下です。スキルとはたとえランクが低くても使い方次第で強力な効果を発揮するものですが…Gランク以下は話が別です。鍛えても無意味。絶対に強くならないと断言できます。ですので…あなた方にはここを去ってもらいます」


「そ、そんな勝手な…!あ、あなたたちがよびだしたんじゃな」


「はい?何か言いました…?」


「…っ」


エレナがこめかみをひくつかせ、上原に向かって腕を上げた。


途端に、上原が口を紡ぐ。


斎藤の腕が切り落とされた光景が頭を過ったのだろう。


まぁ、妥当な判断だな。


あと一言でも発したら多分、殺されていたと思う。


「あなたは?何か言いたいことはありますか?」


エレナが、上原に腕を向けながら俺に水を向けてきた。


少しでも歯向かったら即座に殺す。


目がそういっていた。


「いえ、何も…」


「そうですか。それはよかったです」


俺は首を振ると、エレナがニコッと笑った。 

「では、改めて、あなた方を追放するとしましょうか。今転移の魔法陣を作るので、しばしお待ちを」


そういったエレナがぶつぶつと何事か唱える。


すると、俺と上原の足元に、教室で見たような幾何学文様が浮かび上がったのだった。



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