第11話 【並列思考】と【並列処理】。



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【並列思考】

一度に複数のことができるということは、並列して物事を処理できるということです。 これを並列して考える、ということから「並列思考」「パラレル思考」と呼ばれることもある。


【並列処理】

一度に複数のことができる。例えば、楽譜を見ながらピアノを弾くという行為等。


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【並列思考】を得る為に、先ずは【並列処理】を憶えてレベルを上げる事にしました。


【並列処理】の場合は、片方が単純な作業であれば、慣れだけでも容易く出来るようになるそうです。


なので、何かに突出している人は基本的にこの【並列処理】が出来るのではないでしょうか?


これらのスキルは脳の活用方法であるので、脳トレとなりますが、その為におこなう事は行動も必須になります。


どんな時にでも発揮できるようにする為です。


特に、戦闘中に活用したいスキルなので、どんな状況下においても出来る様にしておきたいですね。


スキルが無くても出来る様になりますが、スキルが身に着けば、補正が掛かり脳の負担が減るそうなので、何とかスキル獲得につなげたい所です。



「隙が出来ていますよ!」



「わかりました。」



なかなか難しいですね。


集中力が低下するというか、注意散漫にならない様にするのが難しいです。


どうしても、どちらかに偏ってしまいがちです。


なので、訓練効果が減少してしまうでしょう。


とにかく練習あるのみです。



「くっくっく。なんだ?毎日訓練していると聞いたがその程度か?」



これは無視する訳にはいきませんかね?


周りの従者も主人と同じ様に馬鹿にした顔をしてクスクスと笑っています。


はぁ~。



「これは、カストロ兄上。おはようございます。」



「苦労するな~。才能が無いモノは。そんなにオタオタして。」



「そうですね。才能がありませんので、やるしかありません。」



「朝早くに起きて日々訓練してもその程度では、さぞつらかろうなぁ。」



「はい。おっしゃる通りです。」



僕の返事を聞いて従者達はニタニタして見てくる。



「カストロ殿下。ルシファリオ殿下に対してあまりにも失礼ではありませんか?」



「ふん!平民の癖に偉そうに!お前は黙っておれ!今は不出来な弟と話しておる!引っ込んでおれ!それとも、不敬罪で処罰してやろうか?!」



カストロ兄上がそう言うと、周りの従者が囲う様に展開しました。


本当にメンドクサイ。


こんな奴に構っている時間は無いというのに。



「レオナさん。落ち着いてください。」



「しかし!・・・わかりました。申し訳ありません。」



今に飛び掛かりそうなレオナさんを引き留め、下がらせました。



「カストロ兄上。申し訳ありません。お見逃し下さい。」



謝罪を口にして、頭を下げました。



「くっくっく。あ~はっはっはっはっ!分かれば良い。まぁ今回は許そう。次は無いぞ!!」



「はい。では失礼します。」



私はレオナさんを引き連れてその場を後にしました。



「申し訳ありません。つい・・・。」



「大丈夫です。あんな事で時間を使うのは勿体ないだけですから。」



「勿体ない?」



「そうです。勿体ないですよ。あんな事に時間をかけるのは勿体ない事です。」



「そ、そうですか。腹が立たないのですか?」



「ええ。ムカつきますが、優先すべき事ではありません。相手にする方が時間の無駄です。適当に流せば良いのです。」



「そ、そうですか。わかりました。」



納得はしてはいないでしょうが、頷いてくれました。


まぁ、あまりにも邪魔をするようなら、どこかのタイミングでシッカリと教育しなければいけないでしょうが、今はさほどでもないので軽く流せば良いと思っています。



「さぁ、それよりも訓練の続きをしましょう。部屋に戻っても出来ますから。」



まだやるのですか?という様な顔でレオナさんは頷いてくれました。


優しい従者です。




◇◇◇◆◇◇◇




あれからも、訓練を積み重ねました。


今ではかなり上達したと思います。


【並列思考】にはなっていませんが、【並列処理】のレベルは5になりました。


かなりスムーズに処理出来る様になりました。



「その調子です。」



「ありがとう。」



思考にさける幅が広がった気がします。


行動とは全く関係ない事を考えていても処理出来るようになりました。


このまま頑張れば、【並列思考】も何とかなりそうな気がします。


なので、今はランニングしながら、座学の復習をしたりしています。


あと、【並列処理】を手に入れてからは、一つに集中すると今まで以上に集中力を発揮できるようになった気がします。


とりあえず、【並列処理】のスキルレベルをMAXにしましょう。



「参りました!」



「ふぅ。ではこの辺で一度、休憩にしましょう。」



今はエルヴィンさんと手合わせをしながら、思考していました。



「では、お茶をご用意いたします。」



今日はメイドのアデーレさんがついて来ています。


何故なら姉上二人が見学と称して来ているからです。



「ルシファリオちゃんは、益々強くなっているみたいだねぇ~。」



「そうね。身体も鍛えられているのが分かるモノね。頑張っているわね~。」



「そうですか?私に自覚が無いのですが。」



「「そうよ。」」



久しぶりにシンクロを聞いたので、嬉しくなってしまいます。


ついつい、笑ってしまいました。



「「もう。」」



また、シンクロした姉上達。


私達姉弟三人の笑い声に、私の従者も釣られて笑っています。


辺りは美味しそうなお茶の香りと笑い声が支配しました。


やはり家族は良いですね。


神※※※※※様に感謝を。

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