042

「いつも日下さん飲み会来ないですよね?」


「皆でわいわいするのが苦手みたいよ」


「そうなんですかー?日下さんの酔った姿とか見てみたいよねー」


下田さんは同僚と顔を見合わせながら、「ねー」とキャピキャピした声を出す。可愛らしい下田さんは明らかに日下さんを意識しているように見えて、ざわっと胸が騒いだ。


「そうね、たまには日下くんも羽目を外すせばいいのにね。……あんなに笑えるようになったんだから」


「日下が来てくれないと俺がハーレム状態で困るなぁ」


ビール片手に席を移動してきた資材チームの丸山さんが、ニヤニヤと調子のいいことを言う。女性にちやほやされるのが大好きで、会話に入ったところを曽我さんにピシャリと咎められた。


「あら、丸山さんはそれがいいんじゃないの?チームが合併して女性が増えたことを喜んでいるの知ってるんだからね。セクハラしたら容赦しないわよ」


「マリエちゃんはいつも厳しいこと言うね~」


丸山さんは悪びれる様子もなくワハハと笑い、その場は大賑わいになった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る