ちょうちんかんかん(2)

 目が覚めると、薄いクリーム色の天井が見えた。

 腕に点滴が打たれていた。


「病院か」


 何があったか思い出しながら、宏樹はそう呟いた。


 車に轢かれたことは覚えている。

 自分が赤信号を渡っていたことも。


 明らかに自分の過失だった。

 運転していた者に申し訳なく思いながら、目を閉じた。


 轢かれる直前に、何か懐かしいものを見たような気がした。

 それが何か思い出す前に、宏樹はまた深い眠りについた。

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@yamatenryo

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