第75話 油断して風邪をひいてしまった。-2
ブラウスの中から取り出した指輪は俺が持っていたものと同じだった。俺は先輩に渡した記憶がないからもしかして先輩からもらったのかな…でもケースは俺の部屋にあったし…
それより…先輩の手がめちゃ気になる。
「春日、いつまで触るつもり?一応…俺は患者だよ?」
「何が食べたい?今晩ご飯作るからねー」
「別に食べなくてもいいよ…ご飯。」
「だめ!早く起きて!」
抱きついたままそんな話をしても全く説得力ないけど…
「春日はその手からどうにかしてよ。」
「やーだ…ハルの体が暖かくて気持ちいいよ…」
「熱39℃だよ?」
「ウ…熱、下がってー!もっと触りたいー!」
「バカ…」
横から見える先輩の顔が真っ赤になってなんか危ない気がした。見てる俺の方が逆に恥ずかしくなる程、恥ずかしがっている先輩はスキンシップで自分の欲を満たしていた。
嬉しそうな顔をして…止められないじゃない。
「ね、ハル。私の寝衣は?」
「…あ、そう言えば洗濯全然してない。」
「え…私の服はないの?」
「洗濯物…いっぱいたまってるしぃ…」
「じゃ先に晩ご飯を作っておくからね、後で呼ぶよ。」
「うん。」
小さい手で俺のおでこを触りながら笑う先輩、そのままキッチンで晩ご飯を作り始めた。
そして俺はしばらくベッドで横たわる。
「ハルー」
「はい…」
「晩ご飯できたよー?」
「はいー」
ぐっすり寝たおかげで体が動けるようになった。居間に出て食卓に着いたら制服姿でエプロンをしている先輩がいる。
食卓には先輩から作ってもらった和食が広がってぼーっとして見ていた。
「うまそう…」
「早く食べて、ご飯を食べた後はちょっと体を拭いてあげるからね。」
「…え?いや、そこまでしなくても。」
みそ汁の味が体に染み渡ってとても幸せ…そしてサバや納豆に炊き立てのご飯を食べる。
日本人はやはりこうだよな…普通に旨い。
「かわいいー」
「え…?」
「ハルのその美味しそうに食べてる顔、好きだよ?」
「恥ずかしいからやめて…」
「照れてるのー?」
「…」
先輩と一緒に食べる夕飯も旨いけどそれより二人きり過ごすこの時間がとてもいいと思った。エプロン姿も見たし、風邪が治ったら先輩と口付けとかしたいな…想像しただけで幸せだ。
「なになにー?変な目で私を見てるねー」
あ、先輩を見ていたことをバレたか…
「春日がいて嬉しいなーって思ってる。ごちそうさまでしたー!」
「うんー!片付けるから部屋で待っててねー」
「いや、手伝うよ。」
「大丈夫!私はこれで払ってもらうよ。」
そう言った先輩はかわいい子猫みたいに抱きしめられたい目をして俺の袖を掴んだ。このまま先輩の顔を触って口付けしたい…この人が好きだ。
一人でドキドキしている時、先輩は首をかしげて袖を引っ張る。
「あっ!ちょっとぼーっとしてた。」
そう言ってすぐ先輩を抱きしめた、さらさらする先輩の髪の中に隠れている幸せそうな笑顔が見えて右手で頭を撫でてあげた。
両腕で抱きしめたまま顔を上げて目を閉じる先輩。
「それはダメですよ、風邪が移るから。」
人差し指で先輩の唇をぎゅっと押した。
「う…ん!」
「今はだめー」
夕飯を食べた後、薬を飲んでずっとベッドで横たわっていた。約1時間後、ジメジメする気がして目を覚めた俺は汗で寝衣が濡れちゃったことを確認した。
どんだけ汗を流したんだ…
「ハルーもう起きたの?」
「ん…」
「ハル、汗だらけ…体を拭いてあげるから上衣脱いでー」
「ん…」
夢うつつ…先輩の姿が霞んで見える、先輩が上衣を脱がせて拭いてくれる感覚が上半身に伝わった。タオルの涼しい感触がとても気持ちよかった。
そして熱を計った体温計は37.3℃を示して、まだ少し熱があるけど薬がちゃんと効いたようだ。先より体と頭が軽くなってるのか感じられる、先輩が看病してくれてスッキリした。
「熱が下がった…」
「どれくらい?」
「2℃かな…」
その時、春木は一つのことをうっかりしていた。それは看病しに来た春日が半裸状態の春木の上半身を拭いていることである。
上半身のあちこちを春日に触れて頬を染めていた。
「もう…いい。」
「え?なんで?」
「恥ずかしい。」
「えー私はいいのに細くても程よく筋肉がついてるハルの体がいいよ。」
「…そう?」
タオルを隣の椅子にかけた先輩が俺の首筋を軽く噛んで上半身をベッドに倒した。
「ハル…ヒ…」
「うん…」
ちょっと痛いけどそれより他の気持ちが浮かび上がる気がした。夢中になって首筋を吸ったり噛んだりして、部屋で先輩にすごくやられている自分がいた。
「痛い…春日。」
「はあ…」
「気持ちいい?」
「うん…!クセになりそう…」
首筋に残っている先輩の唾液、そして満足したようなその顔。
「ハルは何もしてこないから…」
けっこうしていますけど…違うのか…
「春日がやってくれてほしい何って…何?」
「…知らない。」
目を合わせない先輩は遠いところを見ながら自分の指をいじっていた。
「何かやっても…全部受け入れてくれる?」
「どうせ何もやってくれないでしょう?」
「へえー」
先輩を横たえて笑顔を見せる俺はゆっくりとその首筋を舐めた。左手で先輩の両手を頭の上に上げた俺は抵抗できないように両手首をしっかり掴んだ。無防備の先輩がベッドの上に横たわっていて、そのまま首筋から徐々に舐める位置が下がっていた。
首筋…
鎖骨…
胸辺り…
我慢できない先輩は喘ぎ声を少しずつ漏らしながら俺から目を逸らした。制服が続きの邪魔になって顔を上げた俺は逸らした先輩の目を合わせて聞いた。
「春日、こうやっても怖くない…?」
「…分からない。」
「やはり…やめようか?」
少しためらっていた先輩が震える声で話した。
「やめないで…」
「本当?」
「うん…」
先輩は怖がっていてもその目は俺を真っすぐ見ていた。かわいい人、好きな人にこんなことをするなんて、何もかも初めてだった俺は心の片隅から罪悪感が生まれていることに気づいた。
先輩も欲しかったことだから…やめられなかった。
「制服が邪魔…」
右手でリボンを外して、ブラウスのボタンを一つずつ外した。
「あっ…!」
ゆっくりと外して、少しずつその中から先輩の白い肌と下着が見られた。先輩の上半身がしっかり見えて後は下に着ているスカートだけだった。
でもその前に…
「はあ…」
「春日、これ外してもいい?」
ブラの上に手を乗せて先輩に聞いた。
「はっ…あ…」
かなり悩んでるみたいだ。それは当然だよな…そこまで見せてくれたこともなかったから。その悩んでる顔を見て、ちょっと意地悪いけど俺から仕掛けた。
右手で先輩の上半身を胸から骨盤までゆっくりと撫でた、触れているだけで顔がすでに真っ赤になってしまった先輩は俺の顔を見て先の話に小さい声で頷いた。
「いいよ…」
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