第七十話 交換条件
「交換条件?」
「ええ。私は貴方を匿う、貴方は私に協力する。当然でしょ」
確かに道理にかなってる。
他に泊まれる場所がない以上協力するしかないか。
「いいぜ。その代わり暫く泊めてくれ」
「ええ勿論」
「それで俺は何をすればいいんだ?」
「面白い話を聞かせて欲しいのと、ある物を取ってきて欲しいの。その二つをお願いしたいわ」
「その二つか?」
「ええ具体的な話はあとで話すわ。夕飯を食べながら先ずは面白い話を聞かせてくれるかしら」
「あ、ああ」
丁度お腹も減ってたし有難い。
「カイル、夕飯は?」
「温めるだけ」
「オッケー。じゃあ並べるの手伝ってくれる」
「ああ分かった」
俺達は夕食をテーブルへと並べる。
パンとスープと肉と野菜。
普通に豪華だ。
「お金は払わなくてもいいのか?」
「別にいいわ」
「そうか」
悪い気がするが今は無理に払うのは止めておこう。
後でこっそり置いておくか。
「いただきます」
俺達は夕食を頂く。
「美味しい。このスープ凄い美味しい」
「カイルはね料理が得意なの」
「へえー凄いな」
カイルは少しだけ照れた様子を見せる。
「面白い話持ってる?」
「エターナル関連なら」
「エターナル?」
「ああ。誰も認知していない未攻略のダンジョンだよ」
「何それ!? 面白い」
ラファと同じ匂いがするなリリィからは。
俺は夕食を食べながらエターナル関連や俺の外れスキル【経験値0】、そしてバグ化について話した。更に俺達の軌跡や仲間の事なども。
「面白いわね。一体エターナルの最奥地には何があるのかしら?」
「さなあ。それを攻略する為冒険している」
「バグ化は完了したの?」
「してない。まだ半分以下だ」
「大変ね」
「で今度はそっちが話す番だと思うが」
俺はエターナル関連で大喜びしているリリィを見ながら、話を引き出す。
リリィは不敵な笑みを浮かべた。
「ゴードンという男を知ってる?」
「ゴードン?」
「知らないようね。あの男が持っているアクセサリーがどうしても欲しいのよね。それにある書物を持ってるの」
「何処にいるんだ?」
「アルフォード国の監獄」
「監獄!?」
監獄ってマジか!?
アルフォード国には世界的犯罪者を収監する監獄が存在するが、そこに行けと言うのか。
「収監されてるならアクセサリーや書物は持ってないんじゃないか?」
「そうゴードンは現在死刑囚だから持ってないわ。でも監獄を管理する管理人が持ってるわ」
「その管理人の目を盗んで奪って来いと」
「そう言う事。貴方相当強いようだから監獄事破壊してもいいわよ。但し犯罪者は全員殺す事」
「簡単に言ってくれるな。何人収監されてる?」
「ざっと60人程かしら。ここの監獄は小さいしね」
いや多いよ。
60人も世界的犯罪者がいる監獄とか行きたくねえよ。
でもまあ行くしかないけど。
「オッケー。俺一人で行っていいか?」
「鑑定士のラファとカイルを連れて行きなさい。この二人は必須よ」
「危険だろ」
「大丈夫。ラファは貴方が守ればいいし、カイルは気配を消すのに必須なの」
「気配を消す?」
「まあ連れて行ってみれば分かるわ」
カイルは俺に握手を求める。
俺はそれに応じた。
「宜しくなカイル」
「宜しくレイン」
カイルは自身の銀髪の髪を握手した後触り整えている。
「まさか今から行くのか?」
「ええ今日の夜決行よ」
「マジですか」
「マジよ。頑張ってね」
「あ、ああ」
俺はこの日リリィに頼まれて監獄へと向かう事となった。
ラファとカイルと共に。
「私達はお留守番ですか?」
「こっちも色々やることあるから、手伝って」
「はい」
こうして俺とラファとカイル。
アイリスとニーナとネフィーとリリィに分かれる。
「失敗は許されないわよ」
「オッケー任せておけ」
俺は監獄へと足を踏みいれる事となる。
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