第六十九話 アルフォード国
「うわあ凄い広大だな」
「ですね。ていうかかなり見られてませんか?」
「私もそれが気になっている」
「ああ。間違いなく凝視されてるぞ」
アルフォード国――そこは世界の中でも有数の巨大国家である。
多くの人々が往来し賑わいを見せている。
噴水や公園なども設置されており色とりどりで華やかだ。
ハンターランク5000まで上げられるので相応の強さの冒険者が存在する。
「俺達何かしたか?」
「いえ別段何も」
俺達を見てくる多くの国民。
何故だ? 何故見てくる?
「ああこの人ギルドのクエストに貼られてた人だ」
「こらやめなさい。関わったら殺されるわ」
「えーでもこの人有名だよ」
「いいから」
母親と思敷き人が子供を連れて逃げるようにして去っていく。
冒険者ギルドに貼られてた?
何のことだ?
「ギルドに行くか」
「はい。何か不味い事が起きているかもしれません」
俺達は急ぎ冒険者ギルドへと向かう。
そしてそこで驚愕の事実を目撃する。
「おい何だこれ!?」
「酷いです。これは酷いです」
「そりゃ見る訳だな」
「間違いなくレインに恨みがある人物の仕業だな」
「ひっどーい」
驚愕の事実それは冒険者ギルドのクエストに俺の暗殺クエストが貼りだされていた。
ちょっと待て。どういう事だ。
状況が飲み込めない。
「おいこれはどういう事だ?」
「そう言われましてもギルド側が承認したクエストを貼りだしているにすぎませんので」
「本部は許可したのか!?」
「え、ええそのようです。こちら支部では分かりかねますが」
「依頼主は誰だ?」
「ええと、少々お待ちください。今確認します」
受付嬢は慌てて依頼主を確認する。
そして確認が取れたのか、言いずらそうに答える。
「気の毒ですが貴方の実父のバレッド・アーノルドですね」
「何!? 父さんが」
「ええ。どうやらそのようです」
「いつから貼り出されている」
「数日前ですね」
くっ、父さんめ。
やっぱり諦めてなかったか。
それどころかギルド側に暗殺の依頼をしたか。
しかし何故冒険者ギルド本部はそれを受け入れた。
世界的犯罪者でもない限り依頼など審査で落ちる筈だ。
「一旦宿屋へ行こう」
「そうですね。これは少々厄介ですね」
「お前の父親は屑だな」
「同感だ。鍛冶師として云々より私が許せない」
「本当許せない。ネフィーそういうの一番ムカつく」
仲間を危険に晒す訳にはいかない。
俺達は一旦宿屋を借りに行く。
「貸してくれないのか!?」
「だってあんた狙われてるんだろ。こっちも商売なんだ。宿が荒らされたら困るんでね」
「金なら幾らでも払う。お願いだ泊めてくれ」
「無理だ帰りな。そもそもよく入国審査を通過したものだ」
俺達は追い返された。
確かにアルフォード国に入国する際別段変わりは無かったが。
しかし参ったなどうするか。
「クエストの取り下げは出来ないんですか?」
「依頼主か冒険者ギルド本部側が取り下げない限り無駄だ」
「困りましたね」
「ああ」
俺達は取り敢えず注目を浴びないようにするため路地裏へと行く。
「悪いな俺のせいで」
「気にしないでください。レインは私達の大切な仲間ですから」
「そうだ気にするな。最悪テント生活でいい」
「私もだ。裏切ることはないから安心しろ」
「うんそうだよ気にしなくていいよ」
「ありがとう」
俺は仲間の暖かさに心が染みる。
大切な仲間が出来たんだと改めて実感する。
「お困りのようだな」
「誰だ!?」
「俺はカイル。安心しろ敵じゃない。匿ってやる」
「匿う? いいのか?」
「こっちだ。付いてこい」
俺はカイルという人物に案内されてある薄暗い建物へと入る。
まさか罠じゃねえだろうな。
まあ罠なら戦うしかないが。
「座ってろ」
「あ、ああ」
俺達は客室ともいえる場所の大きなソファーに腰かける。
そして待つこと五分、誰かがやって来た。
「カイルどうだった?」
「凄いオーラを感じる」
「へえー……って有名人のレイン!? 最高よカイル」
オレンジ色の綺麗な長髪。
整った眉毛に大きな瞳。くっきりした鼻梁。
凄く美人だ。胸も大きい。
朱いコートの服の上からでもわかる。
「ようこそアルフォード国へ。私はリリィ宜しく」
「俺はレインだ宜しく」
「じゃあ早速交換条件と行きますか」
「は!?」
俺はこの日から新たなトラブルに巻き込まれる事となった。
それと同時に世界の謎に迫っていく。
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