第四十八話 VSライトドラゴンその1

 Aの扉を見事攻略した俺達は現在Bの扉の前にいた。


 「何か緊張してきましたね」

 「私はワクワクするぞ」

 「もう、ラファはいつもそればっかりです」

 「探求心が強いんだ。ワクワクするだろ」

 「ま、まあそうですが」

 

 アイリスとラファが雑談している。

 どうやらラファは本当に好奇心が強いようだ。


 「そろそろ開けるか」

 「はい。開けましょう。攻略しましょう」

 「ラファもいいか?」

 「オッケーだ」


 よし開けよう。

 俺は慎重な、でもワクワクした気持ちでBの扉を開けた。

 ギイッと大きな音が響いて扉が開く。


 「ここは!?」

 【よくぞ辿り着いた勇敢なる冒険者よ】

 

 突如空中に文字が書かれる。

 これはエターナルの時と同じ。


 【ここが最奥地である。最高の剣が欲しければ我に勝って見せよ】


 その文字が消えた途端、モンスターが出現する。


 「何だこいつは!?」

 

 見たこともないドラゴンだった。

 巨竜とも違う威圧感。異質な存在。


 「ラファ鑑定だ」

 「任せろ」


 すぐに鑑定してもらう俺。

 何せステータス次第ではマジでヤバい。

 特にアイリスとラファは。

 

 「モンスター名はライトドラゴン。HP15000。攻撃力10000。防御力8000。能力は相手の攻撃力を3000ダウンと武器効果の無効化だ」

 「何だと!?」

 「はっきり言って滅茶苦茶強い。未攻略なのも当然だ」


 只でさえステータス値が異常に高いのに、更に攻撃力3000ダウンはやばい。そして武器効果無効はやばすぎる。

 くそどうする。

 こうなったら攻撃を竜の盾アーグメントで弾き返すしかないか。


 ギュワアアアアアアアアアアアアアッ!

 ライトドラゴンが俺達に向かって光の球体を猛スピードで放ってくる。

 俺は竜の盾アーグメントで弾き返した。

 よし先ず一撃。


 「何!?」


 一撃与えたと思ったが何とライトドラゴンはその体に見合わないスピードで回避する。

 

 「こいつ強い」


 弾き返した攻撃を回避された。

 残り一度しか防具効果は使えない。

 やっぱりスキル煉獄で地道に削るしかないのか。


 「だが……」


 スキル煉獄を使用時の俺の攻撃力は7200。

 だがライトドラゴンの能力により3000ダウンで4200。

 対して相手の防御力は月下の指輪の効果を使用して7000。

 つまり2800足りない。

 ライトドラゴンのHPは15000。現状絶望的だ。

 

 「バグ化しかない」

 「分かってる」


 俺はバグ化の条件を特定する為必死に頭をフル回転する。

 だがバグ化の条件を特定など到底無理だ。


 「危ないアイリス!」

 「は!?」

 「くっ」


 俺は竜の盾アーグメントで二回目の防具効果を使用する。

 ライトドラゴンの攻撃を弾き返した。

 しかしライトドラゴンはその弾き返した攻撃を回避する。


 「やばい」

 

 ライトドラゴンが再び光の球体を口から放つ。

 その時だった。


 「スキル雷閃を追加しました」

 「何!?」

 

 俺はアイリスを抱えてライトドラゴンの攻撃を回避する。

 

 「ありがとうございます。助かりました」

 「ああ大丈夫か」

 「はい」

 「バグ化したぞ」

 「本当ですか!?」

 「ああ」


 今回のバグ化の条件はどうやら一度の戦闘で防具効果を2度使い切るだったようだ。

 全く条件が難しすぎて特定なんかできねえよ。

 まあいい。

さあ反撃開始だ。


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