第二十八話 巨竜襲来

 「という事だ。どうだ楽しめたか」

 「エターナルとは凄いな。バグ化も凄い。興味が尽きんぞ。面白いぞレイン」


 ラファはベッドの上で俺の話を聞いて興奮している。

 どうやら俺の持っている話でワクワクさせられているようだ。


 「後40時間弱で巨竜が訪れるんだな」

 「ああ女神曰くそうらしい」

 「よし。では下準備をしよう」

 

 そう言ってラファは俺とアイリスを部屋から連れ出し、フレンディア国にある、隠れたアイテムショップの下へ案内する。


 「ここが私のおすすめの店だ」


 本がびっしり本棚に詰まっている。

 どうやら全て売り物らしい。


 「それで下準備とは何だ?」

 「攻撃力、防御力を上げるのだ」

 「ここで上げられるのか?」

 「ああ上げられる」

 

 マジでか!?

 こんな古びたアイテムショップでか。


 「私は鑑定士だ。鑑定した結果レインの攻撃力は現在1200。ここフレンディアでも魔剣アーレードを超える武器は売っていないだろう。だからアクセサリーで補う」

 「魔除けの指輪より上が売ってるのか?」

 「正確には魔除けの指輪と降下の指輪を凌ぐアイテムがここにあるだ。売り物ではないが、買う方法はある」


 そう言って眼鏡を掛けた女店主に声を掛けるラファ。

 銀髪の綺麗な長髪が古びたアイテムショップを彩っていた。


 「例の指輪を売って欲しい。駄目か?」

 「あれは売り物ではないのよ。まあ1000万ガルド出すなら売ってやってもいいわよ」

 「OKだ」

 「ちょっと貴女正気!?」


 ラファは俺に「ほれ」と言う。

 1000万ガルド位余裕である。


 「ほら」


 俺が1000万ガルドを店主の女性の目の前に置く。

 店主は驚きの余り口が半開きになっていた。


 「あ、貴方一体!?」

 「時代はバグだ」

 「良く分からないけどいいわ。売ってあげる」


 そう言って店の奥に行く店主。

 十分後二つの指輪を持って戻ってくる。


 「これは?」

 「暗黒の指輪と魔防の指輪よ」

 

 俺は早速装備する。

 この世界では効果がダブらない限り幾つでも装備を身に着けることが可能である。

 例を挙げれば魔除けの指輪を二つとかは無理である。他にも攻撃力ダウン系のアクセサリーは無理である。

 魔除けの指輪は攻撃力ダウン系統というグループに属している。その為一つしか付けられないのだ。

 つまりシンプルに言えば同じ系統の効果のアクセサリーは一種類しか装備出来ない。


 アクセサリー4【暗黒の指輪】

 アクセサリー効果:自身の攻撃力800アップ。

 アクセサリー5【魔防の指輪】

 アクセサリー効果:自身の防御力700アップ。


 つええええええええええええ。

 マジか!? これは凄いアクセサリーだ。


 「これでレインの攻撃力は2000だ。防御力は1700だな」

 「これだけあれば巨竜に勝てるか」

 「分からない。だが最悪お前のバグ化に賭ける」

 

 どうやら出会ったばかりだが信頼してくれているようだ。

 嬉しいな。


 「分かった。これで挑もう」

 「うむ」


 こうして俺は格段に攻撃力と防御力が強化された。

 その後アイリスとラファの装備も改めて銀シリーズで統一してステータス値を底上げした。


 俺の攻撃力2000、防御力1700。

 アイリスの攻撃力700。防御力600。

 ラファの攻撃力650。防御力500。


 よし出来る限りの事はやった。

 さあ巨竜に挑もう。


 そして四十時間後女神の言葉通りエターナルからやって来た巨竜がフレンディア国へと襲来した。

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