第二十六話 グランアード、経験値稼ぎに必死

 エイレンside


 「はあはあ。全く経験値稼ぎはきついぜ」

 「だな。やっとレベル40だ」

 「まあ何処かの経験値0の無能よりはましだがな」

 「それは言えてるなwww」


 エイレン達グランアードは経験値稼ぎを必死にやっている。

 エイレンのレベルは70。ディンガのレベルは40である。

 この差の理由はエイレンが【グランアード】というパーティーを結成する前に単独でモンスターを撃破していたからだ。固有スキルを授かる前に既にモンスターを撃破するなど神童っぷりを遺憾なく発揮していた。


 「カルラ、ルート。お前らはレベルは?」

 「私は45だよ」

 「私は50です」


 エイレンはまるでマウントを取ったかのように満足そうな表情で微笑む。

 このパーティー最強は俺だと言わんばかりに。


 「そういやレインの奴経験値0だけどまだ生きてるんだろうか」

 「知るか。だがどこかで野垂れ死んでるだろう。この世界で経験値0などあり得ない。生き残れる筈が無い。どのパーティーにも所属など出来ないしな」

 「じゃああの噂はやっぱりデマか」

 「当たり前だろうが。経験値0で活躍できる筈が無い。デマだ」

 

 エイレンは呆れた様子でそう言う。

 レインは死んだ。それが彼の辿り着いた結論である。

 

 「さあどんどん経験値稼ぐぞ。次はムーランへ行くぞ」

 「おう」


 エイレン達は少し前までレイン達が滞在していたムーラン国へと向かった。

 エイレンはレインを見下しているが、レインから見ればまだ経験値稼ぎ何てやっているの!? と思うだろう。

 だがそんなバグ化の事をエイレンは知らないため常にレインを、そして他人を見下している。


 ルートside


 「あのーカルラさん。レインさんは外れスキル【経験値0】なんですよね?」

 「え、ええそうよ」

 「どんな人なんですか?」

 

 ルートは凄くレインの事が気になっていた。

 そして何処かレインが生きていると内心思っていた。


 「どんなって。悪い人じゃないけど、外れスキル【経験値0】のせいでパーティーを追放されたわ」

 「賛同したんですか? 仲間なのに?」

 「だって仕方が無いでしょ。経験値0なのよ。この世界で経験値取得できないとか無理だから。死活問題よ」

 「まあそれはそうなんですが」


 ルートは噂の事もありどこかレインに対して引っ掛かっていた。

 若しかしたら何か別の方法で強くなっているんじゃないかと。


 「いいから行きましょう」

 「はい」


 ルートは早くレインに会ってみたかった。

 そして真実を確かめたかった。


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