第2話
「高校生の御堂拓哉君ね。大丈夫よ。うちで働いて頂戴。希望のシフトはある?」
目の前には、店長…なのだが女子大生と言われても納得するほどの若々しさと美貌を兼ね備える女性がいた。目の下の泣きぼくろが色っぽい。あと、おっぱいが大きい。おっぱいが大きい。おっぱいが…
「あら少し暑いわね」
そう言ってブラウスのボタンを一つ開ける。ごくりと生唾を飲み込むと、クスクスと笑い声が聞こえる。視線を上に戻すと揶揄うような表情でこちらをみていた。
揶揄われていたことに気づいた俺は真面目な表情を取り繕い返事をする。
「え、えっと…部活には入っていないので放課後の時間と休日ですね」
「わかったわ。うちは学生さんは基本学業優先だから、試験の前とかは言ってくれればシフトから外すわ。あと、うちは従業員同士は基本下の名前で呼び合うことになってるから。私のことは真弓って呼んでね」
「わかりました。よろしくお願いします。真弓さん」
ここは学校から3駅ほど離れたところの駅前のファミレス。自宅からも自転車で通うことができるためここを選んだ。ちなみに色々な事情で一人暮らしだ。
「そういえば、他の飲食店で働いた経験はあるのかしら?」
「いえ、バイト自体初めてです」
「そうなのね、じゃあしっかりした新人研修の担当をつけるわね。えっと...学年も同じだし渚ちゃんにしようかしら。うちに勤めてもう一年くらいのベテランさんだからしっかり学んでね」
そういうと真弓さんは渚という人物を呼びに行った。
同じ学年ということは高二で高校一年生の時から働いてるのかな。どんな人なんだろう。怖い人だったら嫌だな...
そんなことを思っていると真弓さんが一人の女性を連れて帰ってきた。
「こちらが渚ちゃん。今日から拓哉君の教育係よ」
そう紹介された女性はまさに女神だった。くすみのない金色の髪。まるで物語から飛び出してきたような整った端正な顔、身長は160cmくらいだろうか。俺より10cmくらい低い。スタイルも同年代の中でも飛び抜けているだろう。しかしそれでいてアンバランスではなく、全ての要素が彼女の魅力を高め合っていた。
これだ!俺が求めていたものは!
しかし俺は知っている。これほどの美人には大抵彼氏がいる。運よく彼氏がいなくても、それは俺が彼氏になれると言うことではない。冷静になれ、俺。まだ初対面だ。まずは仲良くなるところから始めるんだ。
第一印象が一番大事だからな。
よし、落ち着いた。まずは爽やかな挨拶から始めよう。この挨拶から俺のラブコメが始まるんだ。
「初めまして!御堂拓哉と言います!これから、仕事でもプライベートでもよろしくお願いします!」
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