第133話 従の文字


ルイーゼ  Lv.11 巫女見習い

         HP 100%

         MP 100%


  称号:   ナビさんのお気に入り

      猫の女王様


  スキル:  テイム  従:  アイギス Lv.12

               バロン

       識別

       応急手当

       水魔法

       医術

       鼓舞

    New 加持祈禱

    New 精神分析

    New 見鬼

       候補(木魔法、火魔法…etc.)


スキルポイント:3



東に出発する時以来のステータス確認だ。アイギスも私もレベルが一つ上がっている。ボスであるハンスを倒したことが大きいだろう。


そして問題のスキル欄のテイムの横、アイギスやバロンの名前が記載されている文字との間に従の文字がある。


その文字はちょうどアイギスの名前の前に存在している。思い返せばバロンのみがテイムモンスターであった時には従の文字はなかったような記憶がある。


その後、アイギスをテイムした後にステータス画面を確認した時にはアイギス(当時はウサギ)の名前がバロンの名前の前に挿入され、アイギスの名前の前には従の文字が添えられていた気がする。


バロンの名前が下に下がったことを不思議に思い、なんどか見直したのを覚えている。


新着順に並べられるのかと思い、従の文字については覚え違いだったのかなと思っていたけれど、もしかしたら違うのかもしれない。



「神話生物・・・チュートリアルでテイムしたモンスターは、従ってつかないらしんだわ」


「へー」


私の答えに対するおもちゃさんの返答は興味深い情報だった。


バロンの仲間?たちにはバロンと同じように従がつかないらしい。テイムモンスターとなり、パーティにも加わるけれど、従とはつかない。


従魔ではないのだろうか。いや、テイムモンスターなのだから従魔だろう。


だって冒険者ギルドのカードでも従魔の欄に名前がある。では、従ってくれるわけではないということだろうか。


探索者に対して融和を示しても恭順はしないという意思の表れなのだろうか。


うん、まぁ、そうかもしれない。アイギスは割と私のお願いを受け入れてくれるけれど、バロンには気分次第で無視されることもあるし。


それは仕方のないことだと思う。


本来動物は人の思い通りに動いてくれる存在ではないし、ましてや猫が気まぐれなのは自然の摂理、むしろ人の言うことを無視するのが当然である。



「猫だから自由人なんだと思ってた」


人じゃないけど。猫だけど。


「まぁ、普通の従魔でも命令違反はあるらしいけど」


「そうなの?」


「そうそう。従魔を無碍にしてた奴なんて、死に戻りん時に逃げられたらしいぞ」



死に戻り、それは探索者のだろうか、それとも従魔のだろうか。なんにせよ、ずっと気になっていたことを知る良い機会だ。



「・・・従魔って死に戻るの?」


「戻るぞ。主人が生きてるときは主人の側に、主人と死んだ時は一緒に最後に潜った門のそばに死に戻りするぞ」



良かった。従魔も死んだら終わりという訳ではなくて。


アイギスのスキル欄を見せてもらって、たぶん大丈夫だとは思っていたけれど確信は持てていなかった。


もしもの時はアイギスだけでも逃がさなければと考えていたが、一緒に死に戻ることができるらしい。良かった。



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