9
「ちょっと頭痛薬飲むわ」
「えーだいじょーぶ?生理?」
「そのネタも昨日の暴露のせいでもうセクハラにしか聞こえないわ」
いや、別に佐藤ならなんかいいんだけど……アンタなら今までだってそうだったから許せるけど。
心配してくれてるのは、わかるし。
「あれ、じゃあ待って、アンタ月末に生理来るって話は……」
「生理とか無縁だしぃ?」
「クソが」
ヤバい、頭痛のせいか段々口が悪くなってきた、イライラする、本当に近々生理くるかも。
鞄からピルケースを取り出し緑色のカプセルを手に取ると、麦茶で流し込んで横に寝転んだ。
すると、ひんやりとした手が額に当てられる。
佐藤の手だ。
「このまま帰ってもいーんじゃない?」
「次のコマ……」
「睡眠不足だって立派なたいちょーふりょーだよ。まぁ、あーしのせいなんだけど。いや、二日酔いのせいとかもあるんじゃない?」
「サワー一杯で二日酔いになってたら酒なんて今まで飲んでない」
「だよねー」
ケラケラと笑う佐藤の手のひらが、額をゆるりと撫でて、瞼の上にその手が置かれる。
「あーしが責任取って紳士として守ったげるから、和香は寝てていーよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます