自由間接話法と独白

 λμはおこだ。ぜったい自由間接話法やっつけると決めた。λμにはブンポーがわからん。λμは、アマ字書きである。酒でテンアゲして筋トレ嘔吐したりしてた。わけわからん。でも私にだって分かることはあるのじゃよ。


 のっけから細かすぎて伝わらない太宰治『走れメロス』パロディで始めましたが、これには理由があります。リングネーム『N岡』さんから、「『走れメロス』って気づいたら一人称まじってるけどどうやっとん?(意訳)」と質問を頂いたからです。ありがとうございます。


 N岡さんは最近……鹿島建設の夢プロジェクトとメトロ2033とメイドインアビスとあとなんだっけをガラガラポンした雰囲気のアクションSF(でいいのだろうか)を書かれているご様子……みたいな感じに既存の作品を引き合いに出すと機嫌を損なう創作者(私だ)がいることがあります。気をつけましょう。いや気をつけろ私。


 さて、人面予言牛ことくだんの走れメロス――の前に、太宰治という文豪の私的な評価をしておかねばならぬ。なぜかといえば、技法に関わるからです。


 太宰治は、究極文体芸人である。


 とてつもない不敬。やばい。あくまで私から見た太宰です。

 太宰の凄さは■■■ない話を文体で読み切らせるところだと私は思うのだ。


 最初は元気。結婚式で怠惰。走ってる途中に疲れ、山賊から棍棒を奪いしばき倒して(忘れられがち)、やっぱ無理だわってなって、復活ダッシュ。文体の勢いがちょうどそんな感じ。そこがゴイスー。


 視点としては三人称神視点で、前に視点の話でした特殊視点。セリヌンティウス以外の内面描写が許されているタイプです。友達が何を考えているのかわからないのがミソで、ミステリアスでいいヤツ感が出る。わからん。出ないかもしらん。


 すでに半分。やばい。とっとと一人称の独白が挟まるところの話をしよう。

 最初に一人称『私』が出てくるのは段落を変えたすぐ後だけれど、実は前の段落に仕掛けがあったりする。自由間接話法の乱打が始まっているのだ。たとえば、


『メロスは跳ね起き、南無三、寝過したか、いや、まだまだ大丈夫、これからすぐに出発すれば、約束の刻限までには十分間に合う。』そして口語体で進めていって、動作を挟んで段落を変えた瞬間『私は』である。


 動作の描写、内面(口語)。口語。口語。動作。ときているので読者は内面待ちをする。また話の切り替わりだから余計に。で、これが後の技術的伏線になる。たぶん。わからんけど。


 次に地の文で一人称が出てくるのは山賊をしばいて疲れたとき。ここの凄いところは神視点をいかし神様がなんか言ってる風に『ああ、あ、濁流を泳ぎ切り、山賊を三人も撃ち倒し(中略)と叱ってみる(傍点作者)』とするところ。気づいたら独白なのだ。コワイ。


 ようは地の文っぽくないのは内面描写だよと宣言し、極めつきに『私』が出てくる前に『心の隅に巣食った』と『思う(った)』的な宣言を入れているのである。勢いで押し流しているともいう。


 実際に私がよくやっているのが、まさに『思った』法である。


 セリヌンティウスは思った。俺いま殴られたらカッコよくね?

 

 思った、考えたなどは『言った』も同じで、直接話法なのだ!



 ……うん。正直、よく分からん。たぶん、こうじゃないかなーである。

 今回の話は書く意味あったんだろうか――。


 どうでもいいけど、裸のメロスとセリヌンティウスが抱き合うのを見て喜ぶ観衆は腐海の住民なのだろうか。王様は俺も間にいれてくれとか言うし、それ聞いて皆も喜んでるし、最後の少女が捧げる緋色のマントとか耽美な暗喩かなn(略)。

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