僕と彼女と生 (9) (300字小説)

ピーンポーン。

その音が鳴った時、僕はベランダのフェンスを越えようとしていた。また邪魔者が入ったか。今度はなんだ? インターホンを見るとそこには郵便配達員がいた。僕は無視しようと思った。しかし、何かを感じ、僕は出た。

郵便配達員から受け取ったのは一通の手紙だった。差出人の欄には彼女の名前が書いてある。生前に出していたのだろうか? 突然の事故だったのに。僕は急いで封を開けた。彼女の字。二枚の紙。僕は食い入るように彼女の残したものを読んだ。その中に僕の心を打つ文があった。「私がいなくなっても死んじゃだめだよ」

なぜ今届いたのかわかった気がした。僕は段ボールの箱を開けて元あった場所に戻し始めた。

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