奇跡と逃亡と死 (6)
僕は結局死ねなかったらしい。
あの日のあの時間、たまたま下に布団を積んだトラックが止まっていて一命を取り留めたと看護師が言っていた。
……くそっ。
どうして僕を死なせてくれない?
僕はもう生きることはできないんだ。彼女がいなかったら。
僕は腕から点滴の針を抜き、病室を抜け出した。
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