プリクラ(300字小説)

「プリ撮ろっ!」

私は友達の手を取りプリ機の前に行く。

お金を入れ、撮影ゾーンに入り、荷物を下ろして一枚目に備える。

まずはピース

次はハグ

「……次どうしよっか」

彼女は私を見ながら言ってきた。

「……背中合わせて撮ろうよ! 次全身だし」

「いいよ」

……よし。

急いで背中合わせになって笑顔を作る。

『三、二ーー』

後一秒で写真が撮られるタイミングで私は彼女の手を握った。普通の握り方ではなく恋人繋ぎ。

握る手に力を込めた時、

『カシャ』

画面には笑顔で恋人繋ぎをする二人。

「撮る直前に握らないでよ」

そう彼女は言ってくるが手を離そうとしない。逆にちょっと強く握ってきた。


叶わない恋なのに。そんな事してきたら諦められないじゃん。

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