手持ち花火

彼女が一人、手持ち花火を持ってしゃがんでいる。目は線香花火しか見ていない。

僕はみんなの輪から離れ、彼女に近づいた。

「みんなと一緒にやらないの?」

「……なかなか入れなくて」

僕はそんな彼女の横に座り、横顔を眺める。

僕は気づかれないように花火を持っていない方の手に、手を近づけた。

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