第19話 『聖都上空戦』
――ドシャァァァァァァンッ!
「『罪の魔眼』、そして『
「『
「『
聖都上空。
なんとか聖都まで辿り着いた俺たちは、街中でドラゴンたちに必死に交戦していた冒険者やら勇者を援護するため、上空で飛び回るドラゴンたちを討ち落としている。
俺とアイシャは自身のスキルを当てれば、体力と魔力を継続的に回復することができるので立ち回りにそれほど苦労せず、耐久力と一撃の火力が高い竜種相手でも上手をとれるのだが、冒険者や勇者はそう簡単にはいかないようで、俺たちが辿り着いた時には聖都はなかなか酷い有様だった。
最強勇者がいる区画は『皇龍』の真名持ちだろうと守り切れているみたいだが、最強勇者のいない全ての場所が圧しきられている。
「だからと言って最強勇者に居座らせるのはダメだな。シンラッ! 最強勇者を『皇龍』のダンジョンまで跳ばしてきてくれ!」
「終わりそうにありませんねッ」
「そりゃ近くにダンジョン浮いてるし! DEなんて無限にあるだろうから、真名持ち以外は無限に来る!」
この戦争を終わらせるには『皇龍』を討ち取るしか無く、まずは最強勇者を浮いているダンジョン入り口まで送り届けなければいけない。
最強勇者はシンラのことを1度見ているので問題無いと思うし、ダンジョン入り口まで送れば、俺たちの意図も察してくれるはずだ。
最強勇者が『皇龍』のお膝元で大暴れしてkるえれば、聖都に戦力を送る余裕も無くなり、結果的にダンジョン外での攻防は落ち着くと俺は考えている。
ウチの面々も聖都に集まってきており、火力と技範囲に優れたガラクシアやポラール、こちらの戦力を増やしつつもドラゴンたちの攻撃を難なく捌けるイデアにウロボロスがいるので、この状況が続くのならば問題ないはずだ。
「獄熱にて天を焦がすッ! 『
「『
――ギャオォォォォォッ!!
広範囲の火力火魔法でドラゴンたちを接近させないアイシャに合わせ、俺は『
聖神力を纏った翼の生えた獅子たちがドラゴンへと襲い掛かる。
俺たちが戦ったときは印象が少し薄かったが、こうしてみると聖神力ってのは相当強力なバフなんだと思う。なんだってスキルで呼び出した猛獣たちが『皇龍』の魔物たちといい勝負できるんだからな。
『罪の魔眼』と『
――ゴウッ!
「上から来ますよッ!」
「『
――ドドドドドドドッ!!
「『竜剣・
――ギャイィィンッ!
俺たちの上から高速で接近してきたのは、鋼鉄の竜翼を生やしたアヴァロンよりも巨大な鎧型の魔物だった。
アイシャからの警告で咄嗟に『
黒と金のシンプル形状な鎧をした竜騎士、数十体の竜たちを従えながら、俺・アイシャ・ウロボロス・イデアに臆さず堂々と突っ込んで来るってのは、敵ながらカッコいい魔物だな。
「『
「『
「『
――グオォォォォォォォォッ!!
俺たち3人の範囲スキルに合わせて、ウロボロスの雄叫びが聖都に響き渡る。
ウロボロスの雄叫びで至る所に次元の裂け目が発生し、そこからネメシスが大量に出撃してくる。
竜騎士は俺たち3人の範囲スキルを上手く回避しているが、配下のドラゴンたちは『
巨体で鎧型の魔物ながら、機動力が高いのは厄介だがそういう相手は苦手じゃない!
「『大罪』覚悟ッ! 『竜剣・
「2人ともッ その大剣に斬られる一定時間スキル使用不可だから注意ね!」
「『
「『
――ゴウッ!!
鈍重な外見から想像も出来ないような空中での高機動を活かして突っ込んで来る黒竜騎士に対し、イデアが『構築解析』で視てからの提言を聞いて、即座に周囲に展開していた『
アイシャもスキル使用不能は不味いと踏んだようで、自身の周囲に『黄金の火』による火柱を発生させる『
苦手じゃないって堂々と思ったけど、こう正面からやりあってみると怖いな!
――ギャオォォォォォッ!!
次々と襲来するドラゴンたちが俺たちから距離をとりながらブレスの雨を降らせてくる。
ウロボロスが何気なく『究極錬成』で空中に壁を創り続けてくれているが、一気に反撃したほうが良さそうだ。
「『
「『宙の黎明界』」
「『
イデアが『宙の黎明界』で敵の攻撃のほとんどを分解して防いでくれた。
その隙を見てアイシャが『黄金の火』を周囲に放出しつつ、それに触れた者が内側から爆発していく『
俺は黒竜騎士に対し、追尾力がソコソコある『
「『
「『
『
アイシャは『
――ガキィィィンッ!
黒竜騎士の『竜剣・
一瞬動きを止めた黒竜騎士をウロボロスが見逃すはずも無く、なかなかお目にかかれない『
黒竜騎士に纏わりつくように『
さすがに異変に気付いたようだけど、残念ながら遅かった。
「本当に摩訶不思議な力を使う魔物ばかりですね」
「俺も滅多にお目にかかれないウロボロスの『大罪』だよ」
ゆっくりと動きは巻き戻しになっていく黒竜騎士に驚きつつ、ウロボロスの『
動きが止まっている相手にしか狙えないし当たらないが、喰らえば動きを強制的に巻き戻させるウロボロスの『
相手は身体の動きが勝手に巻き戻っていくので、理解不能な状態に陥る事にもなるし、実質止まっているようなモノなので仕留めやすい最高のスキルだ。
「『
――ズシャッ!
アイシャが黒竜騎士に『
わざわざ聞きはしなかったが、おそらく『皇龍』の真名持ちだったのだろう。黒竜騎士が灰になっていく様を見て、今まで暴君の如くだったドラゴンたちが引いていく。
シンラも最強勇者をダンジョン入口まで送り届けただろうし、少しは落ち着きそうだ。
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