勝利だギューちゃん

第1話

空は青い。

そして、つながっている。


世界中のどこへでも・・・


「もし、飛べたら大好きなあの子のところへ、行けるだろうか?」

そう思う・・・


「でも、高所恐怖症だから無理か・・・すぐに落ちる」


その空を鳥たちが、飛んでいる。

気持ちよさそうだ。

自由に飛べて、羨ましい・・・


『本当に、そう思う?』

一羽の鳥が降りてきて、僕の肩に止まる。


「君は?」

『私は、ヒヨドリの鳥子。よろしくね』

「普通だな」

『じゃあ、沙奈と望とか、そっちのほうがよかった』

「いや、鳥子でいい」


どうせ、夢だ。


『夢だと思う?』

「うん」

『どうして?』

「君と会話が出来るから」


そう・・・

鳥と会話なんて、現実では出来ない。


『なら、夢なら願いを叶えてあげるね』


鳥子が口笛を吹く。


鷹がやってきた。


『呼んだか?鳥子』

『うん。孝雄くん』

『どうした?』

『彼をあなたの背中に乗せてあげて』

『了解』


あっさりだな。


『じゃあ、行こうか、少年』

有無を言わさず背中に乗せられる。


『行先は、あの子のところだな』

「うん」


こうして飛び立った。


そして・・・


向こうから鷲がやってきた。

その背には、会いたかった女の子が乗っている。


「会いたかった」

「私も」


夢だな

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勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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