4と3の穢れ

 「もう辞めてくれ、これ以上責めないで欲しい」

それが言えたらどれ程良いだろう。息が詰まる。


正義のヒーローなんか存在しない。

人間の心というのは醜くて汚くて、とても卑劣だ。自分だってそう。

結局自身が一番可愛らしい。


自らの命が危ういので我先に。他はどうでもいい。

うるさい、善人ぶるな。


 数人で群れ、一人を攻撃する姿を見た。哀れだと思った。

自分がされた仕打ちだというのに記憶が無い。まるで他人事。

もしかすると、思い出せない方が幸せかもしれない。


本当は僕の方がよっぽど汚いのだろうか。


 大雨の中、きしむような風。知らない場所を歩いている。

雷の音も聞こえていたが、そんなことは関係ない。


ああ、言われなくても知ってるよ。悪いかよ。

いつからかずっと独りで生きていた。

今となってはただの落ちこぼれ。落ちるところまで落ちたよ。


僕に構うな、自分勝手はどちらだ。穢れた化け物が。

何度だって言うさ。人のことを嘲笑って楽しいか。


もう僕は知らないよ。勝手にしてくれ。

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