カミカクシ

 8月20日、今日は夏祭り。

人混みに紛れ、君は泣いていた。


この雑踏ざっとうだ。

子供の一人や二人、迷子になっても仕方がない。


「…君」


見兼ねた私が声をかけると、彼は笑ったと思う。


「気づいたの?」


少し嬉しそうな君は、私の袖を引っ張った。

ああ、連れて行かれる。

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