言葉はこんなにも奥深い。書く人のための上質な日本語解説本
- ★★★ Excellent!!!
普段なにげなく使ってしまう単語やフレーズに潜む小さな落とし穴。本作は「これでいいのかな」と迷うような言葉遣いを取り上げ、その矛盾点や正しい使い方を指南してくれる上質な解説書です。
添削や校正の経験を持つ筆者ならではの細かなところにも行き渡る視線と、複数の辞書を駆使して研究したうえで述べられる見解の分かりやすさが何よりの魅力です。ひとつの言い回しを調べるのにどれぐらいの時間を要しただろうと想像するだけでも、筆者の言葉に対する真摯な思いが伝わります。
また、「これは間違っている」と戒めるような内容ではなく、あくまでも言葉を生きものと捉え、柔軟な姿勢で語られるところにも好感を持ちます。解説書でありながら、こうした柔らかみのある口調は読者にも安心感を与えてくれます。
書く人にとって非常に学ぶことの多い作品。自分の日本語にふと疑問を持った時、訪れてみてはいかがでしょうか。きっと発見があると思います。