『僕の正体』
やあ、いらっしゃい、『読者』のみんな。
来てくれると信じていたよ。
––– この下らない…ライトノベルってやつに。
あ… ごめんね、自己紹介もせずに。
僕は『モノガタリ』アイツらと一緒にされたく無いけど、『神』の一員さ。(注8)
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
注8) 解ったかい? こうやって、僕はキミたちに間違った知識を是正して教えてあげてただろう?
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
キミは思わないかい?
テンプレの異世界転生や、男性目線で綴られた、理想と欲望にまみれた虫唾が走るラブコメ。
そして、今、キミが観ている他者作品をパクって中身がスカスカの自称コメディ。
全く、僕の頭は割れそうだよ。
小説とは何かを、今一度よく考えて欲しいものだね…
だから、僕はライトノベルと呼ばれる、このジャンルを消し去る事にしたんだ。
キミならわかってくれるよね?
こんな現実逃避で得るものがない、文章に価値なんて無い空虚が。
だけど、アイツらは僕の崇高な想いに反して、こんなセカイを守ると…
僕を封印しやがった。
更には、物語の中で僕を消滅させようと、あろう事か小説の『登場人物』を使って僕を消そうとしたんだ。
でも、所詮は『造られし者』…
僕を消す事なんて出来るはずがない。
……うん? またアイツら、僕の封印に神力を注ぎやがる。
まあ、いい。 もうすぐだ…
奴らの力も弱まっている。
僕は……目覚める………あと…少しで……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます