第36話「二人の旅行その2」


旅行って、なんでこんなに疲れるのだろうか。


そう思いながらも、草津温泉のバスターミナルから、温泉街の方まで歩いている。


草津来たら、やっぱ湯畑だよね。


バスターミナルからは歩いてすぐだ。



「The atmosphere is good」(和訳:雰囲気良いね)


「アーメスヒア?」



ひっさしぶりにわからん単語。



「Landscape?」(風景?)


「あぁ、そういう感じのあれね、単語ね」



とはいえ、今歩いている道、言っちゃ悪いけど、至って普通の風景にしか見えない。


何というか、日本の田舎町って感じの風景。


時おり旅館があるあたりが、温泉街っぽさを醸し出してるけど、それだけだ。



「good here」(和訳:ここ良い)



両手の人差し指と親指で四角形を作り、そこから覗き込みながらつぶやく。


この先は、下り坂になっており、道の両サイドには温泉街らしい雰囲気を彷彿とさせるお店が立ち並ぶ。


確かに、ここは写真を撮りたくなるところだ。


カメラとかないから、スマホで写真を撮っておこう。


ちょうどマリアの後姿が移りこんだので、“日本の温泉街の風景に感化されてる外国人”みたいな画になった。


これはこれで良い。



「lets go」(和訳:行こうか)


「オッケー」



坂道を下れば、そこは湯畑だ。


草津といえばやっぱこれだろう。


マリアはどんな感想を言うのかな?



「stench」


「え、ステンチ?」


「odor」(和訳:臭い)



はい、その前のステンチも、何となく理解しました。


まぁ温泉街だから仕方ないことだけど、硫化水素ガスの臭いが街中に充満している。


硫黄臭いという人もいるらしいが、この場合は硫化水素らしい、理系の友達が言っていた。



「by the way, What are you doing here?」(和訳:ところで、ここは何をするところなの?)


「クールザホットウォーター」(Cool the hot water/お湯を冷ます)


「フェシィティェー」



それ以外にもなんか目的はあるみたいだけど、俺の脳みそが英訳不可と言っているんで、まぁこの説明だけで十分でしょう。


一般的にもこれでまかり通っているわけだし。


その後、湯畑近くの足湯に入りました。


日本人の俺は、足湯なんて何度も経験しているが、マリアはそうじゃないらしい。



「It's my first experience」(和訳:初めての経験だよ)


「ハウドゥーユーライクイッツゥ?」(How do you like it?/どう?)


「favorite」(和訳:気に入った)



それは良かった。


それともう一つ。とりま、荷物が重たいから早く予約している宿に行きたい。



「ウェアゼン、シャルウィーゴートゥーザホテル? ビコーズザランゲージイズフェビー」(Well then.Shall we go to the hotel? Because the luggage is heavy/それじゃ、ホテルに行かない? 荷物重たいから)


「愛斗のえっち」



なんでそうなるの!? 荷物重いからってちゃんと言ったよね!?


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