第6話「英語を喋っていても、自分の国の言葉が混じる」
「やっぱパンがいいかな・・・?」
朝の時間、いつもなら米でもパンでも、俺は基本的にどっちでもいい派だ。
だから、いつも気分で決めている。
だけど、今日はマリアがいる。
マリアはドイツから来たらしいので、まぁパン文化だよな。
「ワッサスローズウェディア?」
「はい? というか、マリアはパンか米、どっちが良い? パンorライス?」
「ライス! And・・・パン is Portuguese」
「ポルトギース? パンってポルトガル語だったのか」
「ボーツ、in Germany」(和訳:ドイツ語ではボーツ)
まぁ英語でパンとは言わないよな。
ってきりフランス語あたりだと思っていたけど、そうじゃないんだな。
「And it's called パン in French」(和訳:それと、フランス語でもパンだよ)
なんだよ。
何がともあれ、マリアは米が良いと言うことなので、白米にインスタントの味噌汁、あとは冷蔵庫に入っていた賞味期限ギリギリのシャケフレークをおかず代わりにした。
「んでも、米で良かったのか?」
このレパートリー、どう考えても"和"だよな。
マリアにとっては縁もゆかりもないような食事だけれど・・・。
「I wanted to eat Japanese rice」(和訳:日本のご飯(米)が食べたかったの)
「なーるー」
逆に日本の食事の方が、マリアにとって新鮮で味わい深いってものなんだな。
「Do you have any plans today?」(和訳:今日の予定は?)
「今日は大学があるな、えっと、ユニバーシティ」(University)
「アレス クラー! doing house sitting」(和訳:じゃあ留守番してるね)
「ハウス、セッティング? なんだそれ」
わからん単語だな。
その前のアレスクラーも分からんしなぁ。
ただ一つ言えることは、マリアが俺の理解できない言葉を喋るときは大抵めんどくさい提案をしているときだ。
どんな意味なのか分からないのも怖いしな。
「えっと、NO!」
「・・・?」
言葉が通じないって不便だ。
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