雨女
勝利だギューちゃん
第1話
外は雨が降っている。
もう、何日も降っている。
雨は生命が生きていく上で必要。
振らないよりはいい。
だが・・・
こうも続くとうんざりする。
「だいたい、俺の断りなしに雨が降るなんて、礼儀知らずだ。
ひとこと断れ」
「なんで、あんたに断らないといけないの?」
「世界は、俺を中心に回っているからだ」
「いつから?」
「半年前から」
「知らなかった。ごめんね」
「わかればいい」
・・・って・・・
部屋の隅をみる。
「やっほー」
女の子が手を振っている。
「誰だ?君は」
「私?雨の妖精のレイン」
「まんまだな」
「わかりやすいでしょ?」
「で、そのレインさんが何でここに?」
「雨宿り」
「不法侵入で訴えるぞ」
「私は人間じゃないから、適用されない」
話が嚙み合わない。
「で、何でここにいる?」
「雨宿り」
「他にもあるだろう?」
「もう、限界だったから」
「雨の妖精なのに、雨が苦手なのか?」
「うん」
「なら、どうして君が選ばれた?」
「一番の雨女だから」
「それだけ?」
「うん」
アバウトな
「雨の妖精が、晴れ女だったら困るでしょ?」
「なら、日照りで困っているところに行け」
「あそこの晴れ男は、とても怖いから、関わりあいたくない」
気のせいか・・・
前にもこんなことがあった気がする。
「不思議だよね、世の中」
「ああ、摩訶不思議だ」
そう、世の中は不思議だ。
「で、レインさんとやら」
「何?」
「給料はいくら?」
「他に訊くことは?」
「ない」
レインさんは答えた。
「一か月、100万」
「100万円、高い」
「円じゃないよ、単位」
「じゃあ、何?」
単位を訊いて、後悔した。
いろんな意味で
雨女 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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