第64話 真昼の月


真昼の空に浮かぶ月は

一体何を思うのだろう

人も雲も見下ろして

ただ一人青の中揺蕩う

星ひとつない場所で

揺れる姿は儚くて

まっすぐ向かう飛行機も

月の場所へは届くまい

流れる景色を眺めながら

時が経つのを待つだろう

静かに孤独を抱きしめて

夜が来るのを待つだろう

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